最初、捜査二課の係長、思い切り怪しい~と思ったら、次の場面では彼が遺体になっていました。
なかなか細かい所も面白かったですね。
監視カメラに映っていた捜査二課の係長尾崎が、公園できょろきょろと誰かを探しているような素振りを見せると、皆がここで尾行していた誰か見失ってしまったのかと思ったのに、それは撤去された公衆電話を探していたと言うオチ。
ふと脳内で、今ではない時代にお世話になった公衆電話の事を考えた人も多かったのではないでしょうか。
本当に昔はお世話になったのに、あれらは今は探すのも大変ですよね。と言っても、そんな事はこのお話にはまったく関係のない事なんですが、ちょっとそっちに考えがいってしまったものですから。
それに主婦の皆さんが、心の中で密かに、または大っぴらに反応したと思われるのはアメージングウォッシュの性能の良さで、有ったらいいのになと本当に思いますよね。特にこれからは大掃除のシーズンも迫っているわけですから、シュッと吹きかけて油がスッと取れたら楽でいいですよね。しかもこれ血の痕跡さえもお掃除で無くしてしまえるほどなんですものね。
実演販売士の酒井は、かつては人を騙して、またその騙しが順調で天職にさえ思えていたのです。だけどそれによって人が自殺してしまうと、自分のやっていた事の恐ろしさに気付き、自殺しようとしたところを尾崎に救われて、贖罪のつもりで尾崎の詐欺師逮捕に協力してきたのでした。
それなのに、その尾崎が詐欺師の元締めと通じ合っていると思い込み、なじってしまいます。
結果的には、尾崎は自殺でした。
酒井は、敬愛する尾崎の為に、元締めとの繋がりがばれないようにと自殺を隠すために、部屋を掃除し遺体を動かしたのです。
この酒井さんは、「相棒9」の第8話「ボーダーライン」のゲスト山本浩司さんで、その時の感想は→相棒season9-8「ボーダーライン」
凄い重いテーマのお話で、救いがなかったですよね。
でもあの時は、自分の自殺を他殺に見せかけて、今回は尾崎の自殺を他殺に見せかけたのですね。
しかし今回の彼はあの時ほどの絶望を感じさせず、むしろ「口のうまさ」を武器にしてこれからも逞しく生きて行けるような気がしたのです。
だけどそんな彼に、右京のラストの言葉は容赦なかったです。
尾崎が詐欺師の元締めと通じ合ってしまったのは、酒井の命を彼らから守る為でした。理由はどうあれ許せぬことをした自分が許せなくて、自ら命を絶ったのでしょう。だけど遺書にもその事は書かれてなかったのです。それを右京はあっさりとバラシます。
どうして言ってくれなかったんだと嘆く酒井に、あなたが苦しむと思って言わなかったのだと右京は言いました。
尾崎がそこまで配慮したと言うのに、右京は
「あなたが目利きだと言うのなら、そこまで気が付かなければいけなかったのだ。」(セリフは不正確)と容赦のない言葉を投げかけるのでした。
三年と言う年月をかけて、そして尾崎の仕事を手伝い、それを贖罪として復活してきた酒井のこの先はどうなってしまうのだろうかと、ふと不安に思いました。
この先の物語で、口先のうまさで、また元気に上手く立ち回っている彼の姿を見たいものだと思いました。
しかし詐欺は怖いですね。
絶対に私は平気、大丈夫と思っている人の方が、実は危ないらしいですよ。
お互いに気を付けて行きたいものですね。