古今東西、常に早とちりの人は居るわけで、都の情勢を頼朝に伝えていた三善康信は、源頼政の残党狩りを以仁王から令旨を受け取ったもの全員に清盛の兵の手が迫ると、早とちりをしてそれを頼朝に伝えてよこし、それによって頼朝は挙兵せざるを得なくなっていったわけなのですから、役に立つ思い込みと早とちりはあるという事ですね。
いや、挙兵に役に立つと言うのも変な言い方ですが^^
実は私も思い込みの早とちりをしていました。
何をしたのかと言うと、私、これが時代劇なものですから「十三」と言う漢数字を使っていましたが、それこそ思い込みでした。このドラマのタイトルは「13人」と言う数字だったのですね。
三回目で気がついて良かったです。
って、三回目まで気がつかなかったのかってところですが(^_^;)(^_^;)
しかし、思い込みって怖いわぁ。
怖いと言えば、あのシーン、私は怖かったです。
対岸の丘の上から、頼朝と政子、大姫家族を見つめる八重に気がついた政子が、にこやかに手を振るシーンです。
お仕事を引き継いだ後輩として、手を振っているのでしょうか。
この政子のお手振りが、気持ちがよく分からなくて怖かったです。
にこやかに笑っていましたよね。その時の頼朝は、なんかこそこそとした感じ。まあ、分かるけれど、そっちの方が。
その頼朝にも、怖いシーンがありましたね。
政子が、戦に参加しなくて良かったですねと言うような事を言うと、頼政の事をかばって彼女の事を叱りますが、振り向いて仏に向かった時に、思わず微笑みが彼の口から零れるのです。
彼は、負け戦に参戦しなくて良かったと思ったのか、清盛を頼政に討たれなくて良かったと思ったのか、とにもかくにも「ああ、良かった !」と思ったのです。
しかしこの男、とにかく本音を言わない男なのですね。
めんどくサッ!
そんな面倒くさい男も、義時にだけは本音を言うー。
「止めてください、私にだけ言うのは。」
「言葉にすると、自分の考えがまとまるのだ。」
なにげに頼朝は義時を信頼しているのか、それとも主役特権か ?
ただ義時は、兄のように熱くなるだけではなく、数からいろいろな事を分析し、状況を判断する力を持っていました。
なんだかんだと言って、挙兵への決心に一番説得力があったのは彼の数字からの分析だったのではないかと思います。
ところで、私は日本史は教科書レベルでしか知識がありません。大河ドラマのお蔭で、戦国と幕末には少々知識も増えてきたようなものです。なんたって順番にやってると言われているくらいなものですから。だからこの平安時代から鎌倉時代に入っていく、この時代の事をやって頂けるのはありがたい事です。
文覚と言う人の、「頼朝の挙兵を決断させた父のドクロの話」と言うのは有名な話なんですね。
この文覚と言う人は知らない人だったので、昨晩は、この人のことをあれやこれやと調べていました。だけどこの方が僧侶になったいきさつからして、好きになれない人だと感じました。
だけどこの人のあれやこれやを書くと、ある種のネタバレにもなりかねないので、詳しくは書かない事にしますね。
この先もかなり関わってくる方だと思いますが、この回も、かなりいい加減な人に描かれていましたね。
「もう二度と来るな。」と言われたり、ドクロを投げ出して「まだあるから良いもん。」と言ってみたりで、ちょっと笑ってしまいました。
この誰のか分からないドクロがあったから、政子の力強い進言、義時の説得力ある分析も加えて、シーン的にカッコ良く収まったと思います。
もちろん外せないのは、後白河法皇の(偽物臭い)令旨ですね。
私、ちょっとこのシーンで、三谷氏って本当に歴史が好きで、いろいろな書物を読みこんでいるんだなと、本当に感心してしまいました。解釈が拡大しているようなお話って、基本の元ネタのお話を、よくよく知らないと書けないものだと思うんですよね。
だから逆に、このシーンは本当はどのように伝わっていた話なんだろうかと、また調べる楽しさがあるのかもしれません。
最後に
「人々は夢のお告げを信じている。平安末期はそういう時代である。」っていうナレで終わるじゃないですか。
「別に平安時代じゃなくたって、夢のお告げは、今だって信じられてるよね。」と真顔で言う私。
たぶん夫殿は、「うん。」と言いつつ、人の話をまったく聞いてなくて生返事だったと思います。だけどこれ、私たち四姉妹でいた時に、私が言ったらみんなで「うん。」としっかり返事してくれたと思うー。
「夢のお告げ」はいつの時代も大事だと思います。なぜなら、その人の深層心理が見え隠れ・・・
本音を語らず、自分の気持ちが良く見えてなかったかもしれない頼朝の本音が、そこにはあったと思うからです。
というわけで、また次回も楽しみですね。