森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

相棒21 第1話「ペルソナ・ノン・グラータ~殺人招待状」

2022-10-13 11:42:21 | ドラマ(相棒)

無知であるワタクシは、まずはここから。

「ペルソナ・ノン・グラータ」とは、

『外交官のうち、接受国からの要求に基づき、その国に駐在する外交官として入国できない者や、外交使節団から離任する義務を負った者を指す外交用語である。

原義は「好ましからざる人物」「厭わしい人物」「受け入れ難い人物」を意味する。』

 

この物語、警察を辞めている亀山薫がどうやって戻ってくるのかも、ある種の見どころのような気がします。

もしかしたらこのタイトル・・・・・、ちょっと気になりますね。

 

と、如何にも真面目な(?)私らしい書きだしで・・・・(^_^;)

もっと、「わーいわーい、薫ちゃんだ~ !!  おかえり~!!」みたいに、はしゃいでも良いような気もするのですが、なんたってお話自体が、あまりはしゃげないような悲劇チックなものでしたね。

反政府運動のリーダーのアイシャと言う女性は、本当に心の清らかな女性だったのですね。また血が飛び散って周りを汚さないような配慮までして、出来過ぎた美しい人だったと思います。

このドラマを見ていて、私は脳内で、かつて一世風靡した「24」というアメリカのドラマを思い出したり、または「指さし殺人」と言う言葉を思い出したりしました。

「指さし殺人」とは確かに違うのかとは思います。だけど私には同じようなものに感じてしまったのです。

飛行機の中の人は、皆お気楽な顔をしてあとわずかの飛行を楽しんでいました。だけど命の重さを測っていたのは、あの6人ばかりではなくアイシャもでした。アイシャにとって、目の前にいる6人だけではなく、何も知らない150人の乗客からも、彼女の中の正義を迫られているような気持ちになってしまったのではないでしょうか。

「24」を思い出したと言うのは、あのドラマ、一日の出来事を描くと言う目まぐるしいものですから、犯人からの非情な要求が、(犯人にとって不都合な事を調べている)上司の射殺だったりすると、それが正義か否かの論議も無ければ悩むことなく、犯人の目の前で、その要求を実行してしまうのです。いろいろとツッコミどころのあったドラマでしたが、私的には、そのシーンは忘れられないモヤモヤシーンでした。

誰も、その一人の人の命の重さを考えないからでした。

その時私は、さすがに大量殺人兵器を持つ国のドラマねなんて思ったものですよ。

ところが、同じような内容じゃないですか、これ。

一個の命と多くの命の天秤・・・・・・・なんか難しい問題なので、深くは語らない方がベストなような気もしますが、何かモヤリますよね。

 

それにこれ、杉下右京の大失態だと思うんです。

「僕としたことが !」って言わなかったなぁ・・・?

飛行機墜落はハッタリと彼には分かっていたわけです。だったら、既に一人はパニクッて実行しようとしてしまってるし、他の人たちがこの先何を思うかもわからない事じゃないですか。ましてや、正義の人であるアイシャもどう行動に出るかもです。何のフォローもなく放置。

かつての亀山薫が相棒だった頃、こういう気遣いは彼がやっていたんですよね。そして命の重さの天秤を語る人が居れば、一番悩み、怒っていたと思うんです。ところが今は、彼が「いざとなったら」と言い、かつての愛おしい教え子を彼が殺しかねない雰囲気・・・・。

そしてまたこの亀山薫の発言を聞いて、更に他の人の気持ちも考えてみても良かったのではと思ってしまうんですよね。(理詰めの彼には無理な事なのか?)

 

それにたった1時間強のドラマの中の登場人物の温度差が、凄く感じられましたよね。

薫の妻は飛行機の中。右京は、この事件を知った第三者。だからゆえに冷静で分析できるけれども、その分析した結果を訊いても、「万が一」と言う呪縛からは薫は逃れられません。

他の人も、最初は「なんじゃこりゃ ?」と言う気持ち(かなり不安だけれど)だったと思うんです。ところが、本当にそのメールで実行した人が現れて(こいつ、怪しい(^_^;))、そこからやたら真実味を帯びてきたと言うか・・・。

そうそう、温度差の事ですが、この短時間で、必要だからですが、右京は美彌子の所に行き飛行機搭乗者リストに引っかかる人物はいるかと頼むのです。ところが美彌子は、わざわざ甲斐峯秋を呼び出して、右京の態度についての苦情を言うのですよ。なんか暇なのかって思ってしまいました。(笑)

国務大臣の鑓鞍だって、右京からいきさつを聞かされたと思うのですが、顔色一つ変わってなかったですよね。

「使いッパシリに使いやがって・・・」みたいな事を言っていたでしょう。

本当は、この辺の美彌子&鑓鞍あたりは、今回の物語の息抜きタイムかなと思いますので、単純にアハハと笑っていればいいシーンだと思います。

しかし第三者と言うのにも、近い遠いがあるなと、なんとなく思わせるようなシーンでもありましたね。

 

だけどこのドラマの本当の怖さは、たった一件のメールで、こんな事になってしまった事なんだと思います。

あのメールを読んで、遠い第三者の視聴者は「こんなの悪質ないたずらだよね。」と感じた方も多かったと思います。なぜなら絶対に飛行機を墜落させると言う根拠が書かれていないからです。普通は「単なる脅しではない」と言う証に、他のどこかを爆発させたりするじゃないですか。メールの信ぴょう性が皆無なんですよね。

「国税庁の方からのメール」に近い匂いがプンプンでしたよ~。

それにですよ。飛行機を墜落させる力があるのでしたら、いくらでも隙を狙って自分でやれよって思いますものね。なんで失敗するリスクがメチャクチャ高い素人を脅かしてやらせようとするのかって、さっぱり分かりませんよね。

だから犯人の狙いは、本当にいたずらだったかもしれませんが、もしくは彼女を自殺させることだったのかも。

真相は次週にと言う所で、楽しみですね。

イタミンとの、ちょっと暗い再会も出来て、次の絡みも楽しみ^^

 

飛行機も無事について、美和子の顔を見て、思わず泣き崩れる薫ちゃん←敢えて。

「当事者」の気持ちと言うものは、「第三者」には分かりきる事が出来ないものなのかも知れません。

(だからオレオレ詐欺、なかなか撲滅できないのかもね。)

 

何とはなしに、文句を言っていたかのような気がしてきましたが、そうではなく思った事を書いておいただけです。かなり楽しんで見ていました。

私は今までの「相棒」の相棒たち、皆大好きです。スタイリッシュだったりフレッシュだったりクールだったり、皆良かったです。

そして亀山薫の、あの土臭さ、凄く良かったです。なんかホッとしました。

「おかえり~、亀山~。また、楽しませてくださいね♪」

 


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