十三夜
君の時計が止まっても
私の時間(とき)は
たゆまず刻む
時々、スノウさんとメチャクチャ話がしたくなる。
だけど叶わぬ夢なんだ。
だから私は、過去の彼女と対話する。
そして時々笑ってる。
あの時、こんな事があったよね。こんな事を言っていたよね。
「ふふふ」と笑って、そして涙ぐむ。
もう、共に新しい時間を共に過ごすことはないんだな。
君の時間は、今生では終わってしまったから。
それでもお姉ちゃんはさ、何やかんやと忙しく、毎日を過ごしているんだよ。
賑やかに音を立てて進む秒針のような毎日さ。
だけどね、或る日、突然、その秒針も止まる日が来るんだね。
だからと言って、その時に、君と再会できるなんて思ってもいないんだよ。
だって私はね、あの世なんて信じていないから。
それでもさ、ちょっとだけそんな夢を見てもいいかしら。
あの時、ずっとコロナと体の調子が悪くて会えなかったけれど、ようやく君の家に行き、1年と数か月ぶりにやっと会えたあの時、
「やっと会えた~。」と君は言ったでしょ。
あの時と同じようにさ、
お互いに抱き合って、背中をポンポンと叩きあうんだよ。
「やっと会えたね。」って。
あっ、だけどさ、スノウさん。
それ今じゃないかね、悪しからず・・・。
「来たよ~。」とニコニコしながら来られても、ちょっと困るよ~、私。
そんな事を考えながら、歩く夜の道。
ちょっと涙ぐんだりクスリと笑ってみたりして・・・。