森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

「Diner ダイナー」を見ました。

2019-07-12 09:38:58 | 映画

7月9日に見てまいりました。

 

映像美、まさに期待通りでした。

舞い続ける花びら、雨のように降り続けるスプリンクラーの水・・・・

 

殺し屋だけが訪れるダイナー。

そこにやって来た個性あふれる殺し屋たちのその仕事ぶりも見せず、何か大きな陰謀があったとしても、その流れも見せる事はない。だけどそのセリフと役者たちの動作のみで、その外の世界の彼らの世界を垣間見せる。

これは「ダイナー」という狭い空間で起きた物語を見せる室内劇なのだなと思いました。

もちろん「ダイナー」以外の外での空間のシーンもありますが、カナコの人生を語るシーンがお芝居で紹介されるのと同様に、全体が舞台劇のティスト。

映画も舞台も総合芸術だと信じて疑わない私から見たら、たまらない1作だったと言えるでしょう。

ただこの映画、殺し屋たちの密室でののめり込むような心理戦、攻防戦などと言うようなものを期待したら、心の足元をすくわれますよ。だけどアクションはメッチャ楽しかった・・・・。

 

少し前、監督の蜷川実花さんが、ボンベロは過去を語ることもなく・・・・・というようなことを言っていて、つまりそれまでの過去を語ることもなくそこに至るまでの物語もないけれど、そこにボンベロとして存在している圧倒的な説得力を持ってそこに居なければならないから大変な役なんだと言うような事を、インタビューの時に言っていたと思います。

映画を見ていて、思わず頷く私。

 

そしてそれは他の殺し屋の皆さんも同じ事が言えていて、それゆえにこの豪華なキャスティングがなされたのかも知れないと思いました。豪華のみを売りにしたのではなく、その実力が必要だったのかも知れないって事ですね。

とは言っても、この豪華さはやっぱりかなりのサプライズで、撮影されている間もその後もなかなか明かされることはありませんでしたね。

そして彼らの一人一人に、それなりの見せ場があって、時には関心もしたけれど、
「凄いな。よく文句もなくやったな。さすが蜷川さんの映画だな。」と思うこともありました。

 

これは居場所もなく生きる意味も見出す事も出来なかった、オオバカナコの成長の物語。そして繊細で、優しさを心の奥底に隠し、孤独だった(ここの部分は、私が勝手に思った部分です。)元殺し屋ボンベロの愛の物語と言っていいのかなと思いました。

 

なんでか私、ジェイソン・ボーンを連想してしまいました。(ラストも含めて。シリーズのアレです^^)←意味不明な場合はスルーしてください。

何かの時に「ダイナー2を是非やりたい。メキシコの街を走り回って。」とか言っていませんでしたっけ。

次回はボーンのように走り回って、「おお」とか言わせていただきたいかな。

だけどもしかしたら、それは他の映画で見られるのかしら。

 

以下は、「文句もなく良くやったな。」と思った事も含めてのネタバレ感想です。

 

 

 「イケメンの無駄遣い」と言われた小栗旬氏。

私、良くやったなと本当に思いましたよ。彼がマテバでの出演は、蜷川実花監督と藤原竜也さんのために出てくれたのだと思うので、すぐに死んでしまうのは分かります。美しい水辺に横たわる美しい小栗氏。だけど三日後に浮かび上がるパンパンに膨れ上がった彼。

そんなリアル死体、映像ではあまり見せませんよね。出演時間がほんのちょっとなのに、インパクト大です。

狙ったのかなと思いましたが、だったらこれはサクセスですね。

凄いと思いました。監督も小栗氏も。

 

また真琴つばさ様がセリフ無しで死んでいくのですよ。宝塚はごく稀にしか行きませんが大好きです。だけどごく稀なのであまりスターには詳しくなくて、沙央くらまさんの事はよく知らないのですが、真琴つばさ様はその引退公演の時にチケット争奪戦で、東京電話(今は懐かし)をパンクさせたと言う伝説の方で、その電話をパンクさせた多くの人の一人がワタクシですね(^_^;)

で、黙々と戦って死んでいくのです。ちょっと良いのか、それでと思ってしまいました。

でも見過ごすと言う事はないのですよね。

考えてみれば、皆ほんのちょっとの役でも、しっかり目に焼き付いていました。

 

ひとりひとりを使いこなすのが蜷川実花監督は上手なのですね、きっと。

蜷川幸雄氏も雲の上から、苦笑いをしているかもしれませんが、なんだか嬉しいキャスティングでしたね。そして角替和枝さんがここに出演されていた事も嬉しかったです。

ところでコフィとマリア(奥田瑛二と土屋アンナ)には、もうちょっと粘って欲しかったです。

私は真矢ミキさんの宝塚時代は知らないのですが、今までで一番かっこ良くて似合ってる彼女を見たような気がします。もう親子丼は作らない方が良いんじゃない?

 

スキンとキッドとボンベロの事を語らないのかと言われたら、語らなくてもいいのではないかと思うのです。

だけどちょっとだけ言うと、本当に怖いサイコキラーのキッド(本郷奏多)。彼は仕事にしくじって、まあその後「ダイナー」でいろいろとあって、最後に

「どうせすぐに僕は消されちゃうよ。だったらもっと一杯殺しておくんだったなぁー」と、たっちゃんの他の何かの映画を思わせるようなことを言って去って行きました。だけど彼のその後は分かりません。それに彼はかなり強いですよね。狂っているし。

またブロ(武田真治)もその後は分かりませんよね、たしか。

と言う事は、また続編があるとしたら、彼らにはまた登場してもらいたいものですね。

(注:続編をやるなんて話は、今のところ全くない話です。勝手に妄想して楽しんでいます。悪しからず)

 

広い世界でボンベロがどうやってカナコを見つけたと言うのか気になりました。私的推理ですが、ボンベロがカナコに渡した銀行口座やパスワードが入っているペンダントの中に発信機か位置情報が出る何かが入っていたのかなと思いました。

 

もう長くなったのでいい加減、止めようかなと思いますが、ハンバーグにいちごは、我が家では絶対に無理だな~なんて変な所にも反応していました。だけど料理に粒々って意外と美味しそうに見せるツボなんですね。今のタピオカブームもそこにヒントがあるのかしら。とにかくイクラ、トビコ、キャビアをちょっとずつ乗せたり散らす。

格段と美味しそうに見えるなって事は、確認いたしました^^

 

 

 

 


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