昨日の朝、本当に後2行で終わったはずの、「根の深い木」のネタバレ感想の部分がパァッと消えて、そのショックから少々立ち直れませんでした。
あれがいけなかったのかしら。
「殺人マシーン」と打ったから・・・・・・って、今打てるじゃん。
一体何だったのかしら。
殺人マシーンのように強かったユン・ピョン役のイ・スヒョクとソン・サンムン役のヒョヌはイケメン枠で、何気にケパイ役の人も良い顔をしていましたね・・・・と書きたかっただけなのに。(ノД`)・゜・。
と言う事はさておいて、少々冷静になって見ると、また別記事で書くとすれば、長くなるからと省いた部分も書けると言うものですね。
で、この記事はネタバレ全開になっています。
ドラマ的には歴史アクションストーリーでも、その本質はミステリーで、ウキペディアでも遠慮して遠巻きに書いていることも、ある事についてはストレートに書かせていただきます。
でも主に、私的涙ポイントの感想です。
朝鮮王朝第4代世宗イ・ドは王に即位していても、その実権は上王である天宗(テジョン)イ・バンウォンに握られていて、その彼は粛清による粛清で王権強化を図っていました。自分の義父までもその対象になってしまい、イ・ドはなんとしても助けたいと行動を移すのですが・・・。
この物語は、そんな恐怖の大王のような父に挑む物語ではなく、ひたすら耐える始まりなのです。時が過ぎて、そんな暴君もこの世を去って行きます。多くの禍根をこの地上に残して。
その時、ひとりイ・ドは宮廷の池の前に佇み
「イ・バンウォンの居ない世界だ。」と父の支配からようやく逃れ、やっと自分の治世が始まるのだと一筋の涙を落しながらしみじみと想うのでした。
カン・チェユン(トルボク)とタムは子供の頃に、イ・ドの義父シム・オンので、天宗のシム・オン粛清に巻き込まれ、お互いに幼く未熟なるゆえに、力及ばなかったり見栄を張ってしまったりなどと言う理由で、父たちや皆を死に追いやり守る事が出来なかったと思い込み、そのトラウマにずっと悩まされ続けていました。
ある時カン・チェユンは世宗に自分の事を語ります。
「ある時まで父親が自分の世界のすべてでした。だけど突然その父を失って、世界でたった一人になってしまいました。」
少年トルボクは必死になって、子供のようになってしまった父親を全力で愛し守っていたのです。守ろうと思っていたタムともハグレそして彼女も死んでしまったと思っていたカン・チェユン(トルボク)は、復讐を生きる糧にその苦しみを乗り越えてきたのでした。
一方でタムはソイとして、王の文字創製に関わる事で、自分の生きる道を見つけ出そうしていました。
そんな二人の再会のシーンは、本当に泣けました。
そしてカン・チェユンはささやかな未来の夢を見るのです。
ただその時、タムの見る夢は、王の文字創製から公布までを見届けたいと言うものでした。もちろんその先の想いはカン・チェユンと同じだったと思います。
だけどタムはその公布式の様子を、自分の目で直接には見る事は叶いませんでした。そのタムの最後、その役のシン・セギョンは美しく胸に迫る迫真の演技でしたね。
そしてタムが最後の力を振り絞って書いた制字解を持ってカン・チェユンは、公布式に走るのでした。
だけどそこにはイ・ド殺害のために送り込まれた「対戦不可」と言われている最強の男ケパイとの戦いが待っていたのでした。
カン・チェユンのラストドリームは、彼が願っていたささやかな未来の夢でした。
子供たちに地面に文字を書き字を教えているカン・チェユン。そこに優しく微笑みながらタムがやって来ます。
「ほらお母さんだよ。」とカン・チェユンが言うと、子供は顔をあげて
「あっ、お母さんだ。」と笑いながら言うのです。
そんなささやかな普通の生活の夢。
望めば叶う夢だったけれど、彼らはその夢は先送りしたのです。タムは自分の夢を追い、その夢を見届けるのがカン・チェユンの夢になっていたのだと思います。いつかそのささやかな願いが叶う事を楽しみにしながら。
その公布式でなぜ彼が刀の刃を握りしめているのか分かりませんでした。血が滴り落ちて大地を染めていきました。痛々しくてドキドキしました。そしてようやく分かったのです。その痛みで遠のく意識を呼び戻していたのだと。
そして彼は公布式を、タムの人生を見届けたのでした。
本当に号泣して鼻がつまって苦しくなりました。
あとホロリと泣いたのは、彼の父とタムの父が陽気な亡霊になって出て来て、カン・チェユンを復讐の想いから解放させてくれるシーンです。酒を酌み交わしながら陽気に踊る父。思わず一緒に踊ろうと手をあげると、そこにいるのは自分ひとり・・・・
だけど器にはお酒が並々とつがれていたのでした。
この先の感想には涙は不要。でもいろいろと思い心に残りました。
最大のライバルだった、秘密結社密本(ミルボン)の第3代の本元チョン・ギジュンは最後に王の椅子で息絶えました。
世宗は、その彼に「ありがとう」と呟くのでした。
若い時には「お前には何も出来ない。」と言われ、だから頑張れたのかも知れません。また
「お前は民を愛してなどいない。」と言われたから、その言葉に向き合う事が出来たのかも知れません。
ところで秘密結社密本側にハンの旦那と言う人がいて、彼が最後に本名を語るのですが、朝鮮の歴史に詳しい人や歴史ドラマの好きな人は、それを聞いて「おお !」となるらしいのです。私はまったく知りませんので、まったくそれが分からず、それは寂しいので調べてみました。
彼の名はハン・ミョンフェ。
最後に集賢殿の学士ソン・サンムンとすれ違うのですが、「なんだか嫌な気がした。」と言うのです。
この後ハン・ミョンフェは最高の役職まで上り詰め、王の後継の争いで敵対する事になっていくのでした。
詳しい事はこちらでどうぞ→韓明澮
私、思わず「おお !!」と言ってしまいました。
最後に「根の深い木」の意味ですが、ドラマ内では三峰先生の政治的思想云々みたいな感じで出て来て、なるほどと思う所なのですが、今このドラマの感想を書いていて、ふとドラマ的にはもうちょっと膨らませた意味合いがあったのではないかと感じてしまいました。
ドラマ内で語られた意味は「根の深い木の意味」で検索して頂けると良いかと思います。
と言うか、この記事はドラマを見た人が訪れている確率が高いので、それを言う必要はなかったのかも知れませんね。
私が感じた「根の深い木」の意味の膨らみの部分・・・・。(はっきり言って自分勝手に思っただけです。)
カン・チェユンもタムも死んで、チョン・ギジュンも死んで、それでもドラマは続きます。ちょっとだけ驚きました。シメが長いなと。
(お供が後ろにゾロゾロ着いては来ますが)ひとりでイ・ドは宮廷中を歩き、
「ムヒョルの居ない世界だ。」「ソイの居ない世界だ。」「トルボクの居ない世界だ。」と言い、それでも泣きもしないで粛々と仕事をこなしていくのだと語ります。
このシーンは、最初の「イ・バンウォンの居ない世界だ。」と対になっていたのだなと気が付きました。
どんな暴君でも、皆に慕われた賢帝であっても、そして忠臣であっても一心に人生を通り過ぎた人たちであっても、国と言う木に咲く花にすぎず、皆等しく咲いては散っていくのだなと私は思いました。そして隣に咲いていた花が散っても、いつか自分と言う花がハラハラと散る時まで、静かに咲き続けていくのだなと感じたのでした。
さて、次は何を見ようかな ?
もちろん、今日の夜は「相棒」ですね^^