「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

3/12 認めてあげれば、子どもは、自分が好きになる

2007-03-12 06:57:34 | 子育て・子育ち
第12回 認めてあげれば、子どもは、自分が好きになる

親は、子育てのあらゆる場面で、
子どもに親自身の価値観を教えています。
子どもの人格形成において、
親の価値観は、大きく影響します。
親の価値観を基盤にして、
子どもは自分自身の価値観を
形成してゆきます。

親は、こどもに過剰な期待をせず、
きっぱりとした、しかし
柔軟な態度で接することが大切です。
そんな親に育てられた子どもは、
親に愛されているという自覚を持って、
のびのび育ち、
健全な自尊心を形成することが
できるのです。




子どもの長所が光るのは、
日々の暮らしのほんの些細な出来事です。
それを見逃さないで下さい。
子どもに注目することは、
とても大切なことです。

親が、子どもの長所を見つけ出し、
それを誉めれば、
子どもは肯定的な自己像を
形成していくことができます。
子どもは、よいところを誉められば
誉められるほど、
よい子になろうと
頑張るようになるものです。





どのような家庭にも、
日常生活をスムーズに送るための
約束事があります。
子どもの安全に関わる約束事、
日常生活を効率よくする約束事、
親が一方的に子どもに
押し付けるのではなく、
子どもの考えや要望を取り入れて
決めていくと、
子どもはより協力的になります。
そして、子どもが、
自分がルールを破った時も
素直に認めるようになります。

約束事はきちんと守る、
幼いころから身につけた
このような習慣は、
子どもが難しい思春期に入ってから、
特にものを言います。

子どもが親の同意を得ようと
何か言ってきたら、
できるだけソフトな態度で
受け入れることが大切です。
「言ってくれてよかった」
という態度を示せば、
子どもの態度も柔らかくなり、
親の意見を聞いてから
決めようという気になります。


子どもは成長するにつれて、
自分なりのモラルや価値観を
持つようになります。
親は、そんな子どもなりの
モラルや価値観を
尊重するように
心がけたいものです。
子どもが真剣に考え、
人に対して誠実であろう
としているなら、
子どものやり方を
認めるべきだと思います。
たとえ親として多少の
不満があったとしても、
子どもが自分で判断できたことを
喜んであげたいものです。

子どもが悪い誘惑に打ち勝つことが
できるのは、
親に叱られるからではありません。
自分の自尊心が許せないことは
できないからです。
自尊心とは、自分を信じる心、
自尊心があるということは、
自分が自分を好きであるという
肯定的な自己像を持っている
とうことです。
それだけでなく、
自尊心とは、
自分にはそんなわるいことはできない
という道徳律に関わることでもあります。


クリニックのスタッフと話す中で、
親自身が、肯定的な自己像を
持っていないのです!!
子育て支援で大切なことは、
親の肯定的な自己像をもつための
気づきの場づくりだと思っています。




長くなりましたが、小坂なりにまとめますと、
乳幼児期は、こどもの些細な長所が光るできごとを、
見逃さず、一言誉める。
3/10にも書きましたが、山崎洋美さん
(ママのイキイキ応援プログラム主催)
が言うところの、
「ミトメル(認める)は“見留める”」ことにより、
子どもを見ることで、長所の発見。

学童期は、約束事はきちんと守るということの
親と子どもの対話を十分にする。
それにより、
子どもは親が自分の意見を聞いてくれるという
信頼をつくる。
子どもが自分の判断でできたことを親が喜び
肯定的な自己像、自尊心を育む。

疾風怒涛の思春期。
思春期は、難しい時期であり、
親よりは友達、仲間が、生活の中心になるが、
学童期の親との信頼、自尊心があれば、
乗り切れる。

文責:小坂和輝
コメント
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