「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

便利になるということは、、、

2007-06-02 11:56:45 | 子育て・子育ち
便利になることが、
社会が住み心地がよく、
人が幸せになるのと、
イコールでないことを、日々感じます。

逆に、便利になることが、幸せから、実は、
離れていっていると感じることがよくあります。

携帯電話ができて、すぐに人とつながることができます。
しかし、逆に、携帯電話に貴重な時間を邪魔されることが、
多くなったことを誰もが感じていると思います。

先日、読売新聞の夕刊で、
編集委員 南砂氏のコラム『豊かな時代の忍耐』は、
まさに言い当てていると感じました。

*****以下、コラムを抜粋します。****

長年、こころの問題を持つ子ども達と
向き合ってきた東京都立梅ヶ丘病院の
市川宏伸院長の談話。
市川氏は、キレることに通じるこらえ性のなさを、現代人が等しく享受する豊かさの代償だと指摘する。
「昔のこどもは、アイスクリームを家で食べたくても、持ち帰れずあきらめた。宿題が終わらなければ、テレビを見るのも我慢した。
 今は、ドライアイスで持ち帰り冷蔵庫に保存、テレビは録画すればよい。
 便利になると、我慢したり諦めたりしなければならないことはなくなってしまう。」
 不便と忍耐は表裏一体なのだ。

 携帯電話、パソコン、と際限なく出現する便利な機器が人間の忍耐をますます困難にする。もちろん、機器が悪いわけではない。不便な時代に戻れるはずもない。
 
 問題は、生まれた時から豊かさの中にいるこどもに、忍耐をどう教えたらよいのか、ということだ。

 市川氏は「キレて手のつけられない子どもも、落ち着くことがある。それは、耐えた結果よいことがあると分かった時なのです。」
 我慢すれば良いことがある、耐えることは価値がある、自らそう判ると、満ち足りるのだ。


 我慢より結果を急ぐことを求め、忍耐が必ずしも喜びにつながらない今の社会にあって、こどもに忍耐を教えるのは、本当に難しい。

*****抜粋終わり******

抽象的かもしれませんが、
子ども達に、“忍耐”、“我慢”が大切であり、
“忍耐強く”、“我慢をして”がんばった子が、
報われる、そういう地域社会、教育現場を
作って行きたいと考えています。


今の社会をそうするには、時間がかかります。
(まさに忍耐!忍耐!!)
だけど、子ども達の生きる社会だけでも、
実現したいと考えています。

 


コメント (3)
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