「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

ハンナ・アレント(1)との出会い。

2007-06-30 23:12:44 | シチズンシップ教育
本日6/30、気合を入れて、
「豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等に関する専門家会議」の
会場である、都庁第二庁舎北口に向かった。
傍聴席の抽選。
しかし、もれてしまった。

なんか、むなしかった。
くじで入学が決まる小学校があるが、
そのはずれた気持ちは、もっとひどいものであろうと、
その気持ちを少しだけ、感ずることができた。

これは、余談であるが、
都庁職員の一人が、カメラをもち、
抽選待ちの広場や、
ひとりひとりの傍聴席希望者が整理券をもらう場面を、
結構熱心に写真に収めていた。
そんなにとらなくてもと、思うのだが。。。

3:30-5:30の時間、急に予定が空いてしまった。
ふって湧いた、時間。

こんなこともあろうかと、
読まねばならないが、
読めなかった本を取り出した。

女性政治思想家ハンナ・アレント『人間の条件』。
以前、書いている内容が、全然わからず、
やめてしまっていた。
専門家会議に出席できなかった
悔しさをこの難解な本を読むエネルギーとして、
ぶつけてみた。

やはり、私には、文章が難しかった。
半分ほど、理解できないものの読み進める。

そしたら、
私が日頃思っていることの回答に
出会うことが出来た。

以下引用
“社会というものは、いつでも、その成員がたった一つの意見と一つの利害しかもたないような単一の巨大家族の成員であるかのように振舞うように要求するからである。”
引用終わり

アレントは、社会で、“画一主義”の現象が生まれる過程を述べていた。

日々、私が、感じるのは、
ある組織であれ、ある政党であれ、ある会であれ、
個々の人たちは、構成員がすばらしく、
ひとりひとりは、よいことを言っているが、
組織、政党、会になったとたん、
ひとつの画一的な意見になり、
その意見は、なかなか、
個々のよさを反映できていない、
逆に失望する意見なってしまっているのである。
それが、不思議でならなかった。

アレントが述べるように、
社会が、画一主義に向かうというものであれば、
その画一主義に至るまでの、過程の中で、
個々の意見がもう少し反映できることの、
“鍵”が書かれていないか、
探しながら、読み進めたいと考える次第である。
コメント
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