京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 ちょっとのこと

2011年09月10日 | 日々の暮らしの中で
                     
今日は人助けに貢献した。…って言えるのかどうか。

病院での出来事だ。幼い女の子が右手首に包帯を巻いて酷く泣きじゃくっていた。偶然そばにいたのだが、看護師さんが来て、痛み止めの錠剤を飲ますようにと水と一緒に母親に手渡した。治療で受けた痛みが治まらないのだろう。泣きようがひどく、えづいたことで薬はポロリと口から飛びだしてしまった。

飲めえへんと繰り返す子に、「おうちと違うんだから騒がないの」「飲もうという気があるかないかだけや」「痛くてもかまへんなら飲まんとき」
あ~あ~、子供はますます泣きじゃくるばかり。薬を粉状にして持ってきた看護師さん。やいのやいのと何とか飲まそうと、半ば脅しだ。コップ一杯の水に溶かして、どうして飲めよう。「そんなに飲めえへん」と言ってる声が届かない。

母親に睨まれて泣き止んだ。少し落ち着いた様子に、今ならと言葉をかけてみた。「ちょっとのお水で溶かしたらきっと飲めそうじゃない?」 うなづくではないか。
「このくらいですか?」と看護師は私に聞いた!

「ありがとうございました」という母親に続いて、「ありがとうございました…」と疲れた表情の少女の言葉が聞こえた。「かしこいね」
これだけのことなのに…。

  写真は、芙蓉の茎に、つる性植物の「ヘクソカズラ」が。花や茎、葉を揉んだりつぶしたりすると非常に臭いのだと知った。
  万葉集では「クソカズラ」で登場している花に、現代では「屁」を加えてまで強調しているのを知ったことが面白くて~。
  
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする