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残暑の厳しさもいつしかおさまった。窓を開けていると冷ややかな空気が入り込む。涼しさを越え寒いほどの夜。
台風の通過に伴って、高野川が上流からの勢いある濁流が河畔の遊歩道に溢れ、水がついた様子を通りすがりに目にした。またもやの台風一過、何とかならないのかと思う被害ばかりが続く。お見舞い申し上げます。
赤ん坊の泣き声が大きく、電話が聞き取りにくかった。Jessieがちょっかい出しているのだろうか、「やめて」と母親の声がする。
「Jessie、土曜日にお会いしましょうね。一匹ではありませんよ、一人ですからね。よろしくおねがいします!」と言うと、
「はい。わかりました!」大きな笑い声が返る。
「水とかドリンク飲むのにボトルは中で買わんとあかんのよ」と教えてくれている。
「はい、わかりました。Jessie、ありがとう」
身近に幼い子供がいると、自分の感受性は大きく違ってくるのを確かに感じる。Jessieを通すことで、見えるものは多い。気付きもある。忘れてしまっていたことが蘇る。子供の純粋な見方を知らされる。それを思うだけでも、ここしばらく彼女達と暮らす楽しみは大きい。
大方の荷造りも済んで、スーツケースは開けたままにしてある。機内持ち込み分に限度までぎりぎり詰め込んで、少しでも超過料金を減らそうとしているが、努力の割りに報われない。
「お菓子たくさん買ってきてや~」と電話は切れた。さあて、どこまで応えようか。