京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 「柘榴坂の仇討」

2014年10月07日 | 映画・観劇

「柘榴坂の仇討」、見たかった! ようやく思いかなって嬉しい~。
江戸城の桜田門外で井伊直弼が水戸浪士18人に襲われ、殺害された「桜田門外の変」。
井伊直弼が乗った駕篭に直訴状を持って近づく浪士がいました。このとき井伊直弼は、「かりそめにも、命を賭けたる者の訴えをおろそかにしてはならない」と訴状を受け取るよう言ったのです。

警護役だった彦根藩士、志村金吾は「命をかけてお守りする」と誓った約束を果たせず、事件から13年。
ようやく、という緊張の相まみえる場面で、金吾の脳裡には井伊直弼の言葉が蘇ります。
「かりそめにも、命を賭けたる者の訴えをおろそかにしてはならない」


亡くなった井伊直弼の言葉、魂を引き受けた志村金吾。直弼の「直」の一字をもらって名を変え、人力車車夫としてひそかに生きてきた生き残り、水戸浪士十兵衛の13年の日々と胸の内…。両者の葛藤は悲しくもあり、印象深いシーンでした。二人の姿には、この夏の高野山で姜尚中氏がお話の「相続」の意味がふと重なりました。
時代が変わり、形が変わっても、変わらないものがある、のでした。いくつものセリフが心にしみました。

コメント (8)
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