京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

秋の色

2017年09月28日 | 日々の暮らしの中で
静かな秋の雨音を聞きながら朝を迎えました。
どんより曇って、細かな細かな雨が残る中、点訳の件で外出しました。


ハナミズキの葉が色づき、赤い実を結んでいるのに正直なところ驚かされました。植込みの上に真っ赤な葉っぱが1枚。本の間に挟んで持ち帰ることにしました。

 「み山路やいつより秋の色ならん見ざりし雲の夕暮れの空」
〈ふと気がついてみれば、あの夕べの雲はもう夏の雲ではない。山路にはいつから秋が訪れているのだろう〉。
新古今和歌集に収められた慈円のこの歌が好きだ、と竹西寛子さん(『詩歌断章』)
          
         

 「倖せのたゆたふごとく秋の日は草地一枚昏れ残したり」  高島健一
秋の色に気づきながら、天からの恵みのような1枚の葉を本の間に挟み、穏やかな気持ちになれる果報者。こんな平穏さ、充分に倖せです。
コメント (4)
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