京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

「逃げ道はないと…」

2017年12月09日 | 日々の暮らしの中で

報恩講を勤めさせていただいております。

私自身が身をおく現実の中で、長い年月にわたって常に内心に持ち上がってくる迷い、疑問、矛盾。払いのけてしまいたいとあがいてみても(あがいてきたわけですが)、自己のそうした内心と向き合うことなくして道は開かれない。
好きなこと、興味ある事、楽なことだけに心を向けて紛らわせ、これこそ天職だとばかりに虚しさを他の道で埋め合わせもし…、しかし、そんなことをしていても決して解決などされはしないのでした。

【よく「ありのままの自分を受け入れる」などと言うが、ずいぶん甘っちょろい。本当に自分を肯定するのはかなり困難であり、稀有なことである。「どこにも逃げ道はない」と自分の人生を本気で引き受けねば成り立たないのだ。そして、何度でも同じ人生を引き受ける覚悟を持ったとき、「この一瞬をよりよく生きるしかない」という扉が開くのである。】と、釈撤宗氏の言葉に打たれた日。

お参りに寄り合う方々と一緒に聞法の二日間。

   真砂なす数なき星の其の中に吾に向かひて光る星あり    正岡子規

好きな一首を身が引き締まる思いで味わいます。

                (ひっそりと地味な枇杷の花が咲いていました)






コメント (8)
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