京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

小さい秋

2019年09月02日 | 日々の暮らしの中で

それなりの恰好をして出たのはいつ以来のことか。
午後3時を回ってウォーキングを思い立った。7月8日にセミの初鳴きを耳にし、10日にヤブカンゾウの花やクルミの木を確かめて…、それ以来だと思う。
暑すぎる。雨が降りそうだ。雨だし、まあ雨が降っていてウォーキングでもないが。このままでは体力気力が衰えるのではと不安もよぎる一方で、何かと理由をつけては不要の外出は控えて身の安全を図っていたのだった。軽く、と思いながらそこそこいつも通りの歩数を刻んだ。

   冷たしや式部の名持つ実のむらさき  

長谷川かな女にこんな句がある。赤い実をつける樹木はとても多いのに比べ、紫色の実をつけるものは珍しい、稀有だとか。貴重な存在なので紫式部の名にあやかって名付けられたというムラサキシキブ。 
当時で言えばずいぶん晩婚だった式部。学があり過ぎて生意気、かわいくな~い、と思われる女性だったのか。長い未婚時代の(あっただろう)恋愛はひとつも実を結ばなかったようだ。

午後の日差しを受けて、取りすましたように映えていた。心に小さくやる気を灯せた日。
コメント (6)
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