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京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

新年を言祝ぐ

2020年01月03日 | 日々の暮らしの中で

火の気のない、まだ薄暗い早朝の本堂の冷気。そこに立ちあがるお仏飯のかすかな湯気の揺らぎ。山の端がようやく眩しい陽の光に染まりだし、まだ霧に包まれて潤う森の木々。かすかに聞こえる小鳥の囀り。どれもこれも、新しい年の祝福を告げている。

穏やかな年の始まりでした。いつもと変わらない暮らしの中で、新年を言祝ぐことのできる悦び。
もっともっとこころを動かして、どんなに小さな感動でも、笑いでもいいから何かを体験していきたいものだ。田辺聖子さんは、人間が持っている良きもの二つとして、「期待とはずみごころ」をあげておられた。

歳を重ねると涙もろくなると言うが、一方では心が動かなくもなる。人の温かさに触れて涙し、小さな命の営みに心震わせ、精一杯生きる人の姿に心打たれたり、ああ~、美味しかった、楽しかったねえなどと一日が終えられるのもまたいいし、日常きっとたくさんある感動の経験を見過ごしているのかもしれない。…「うれしかった。」と結んで終わる「歓びノート」の話が五木寛之氏にあったのを思い出した。

    冬枯れの季節に、松の緑は吉祥を招く、と。  (写真は通りがかりのお宅の門口に)
コメント (6)
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