京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

湯湯婆

2020年01月08日 | 日々の暮らしの中で
中国語では「湯婆」と書くところに、もひとつ「湯」を重ねて和製漢語ができている。
「湯湯婆」と書いてゆたんぽ。何故「婆」という感じが当てられるのかしら? 「婆」は俗語で妻のこと。…ああ、それで…。「妻のかわりに抱いて寝る」とちゃんと辞書に書いてあった。身体などを温める容器だからね、なるほどね、とガッテン。けど、古くは男性用だった? 


マイ湯たんぽ。足先が冷たくてなかなか寝付けず、湯たんぽ利用派だ。もっとも今冬は出番待ち。いつこのサイズに買い替えたのか記憶はないが、わずかな湯なので朝までには冷えてしまうが、寝床に入ったときに足元が温まっていればいいので簡単で便利な使い勝手です。

「炭もガスも乏しければ湯婆子(とうばし)を抱き寝床の中に一日をおくりぬ」(「子」は接尾語 『断腸亭日乗』)永井荷風の正月一日の記。言うなら寝正月ってか。 

朝は雨もあって、いつまでも薄暗かった。やがて10時を過ぎる頃から猛烈な風が吹き荒れた。古いガラス障子はガタピシガタピシ、割れんばかりの音を立てる。冬なのに「春の嵐」。今夜も湯たんぽの出番はない。
コメント (4)
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