京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

紙一枚で

2021年03月14日 | 催しごと
花見小路通を南へ少し下がったところにある祇をん小西で開催中の、切り絵作家・望月めぐみ展が14日までだったので、もういいか?とも思いはしたが、せっかくなので昨日午後から足を運んだ。
「むりょーだよ」


切り絵作家・Paper-cutting Artist
和紙をナイフ一つで、様々な文様、複雑な図柄を切り分けている。紙を「切る」。望月さんは「紙を掘る」と表現されているが、一枚の紙に、ナイフで描いたものを交差させて立ち上げることで、そこに見事な立体的な空間が創造されている。これが紙一枚で!?と目を凝らした。ライトが照射されていて、背景の障子にそのシルエットが映りこんで、それも素敵だった。「こんなの見たことないね」、という世界。ご本人が会場におられた。
藤城清治さんの切り絵の世界をずいぶん昔になるが拝見したことがあったのを思い出すが、あの精巧さ、楽しさ、美しさとはまた別ものだ。

二間を使った全長約7.5mの作品のモチーフは、中国の古代神話に登場する蛇身人首の男女神、伏義(ふっき)と女媧(じょか)だそうで、二人は人間とさまざまな文化を作ったとされているそうな。


蛇身が絡み合って立ち上がっている。図柄の繊細さ、線の柔らかさ、部屋の空気の流れで揺らぐ蛇身。とても紙一枚の世界とは思い難い、醸し出されるものがある。この神話についての知識は皆無だが、この創造性に驚かされ、楽しませてもらった。




これが紙一枚! 何度もなんども確かめた。
コメント (4)
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