
「国際交流会館で『カムイ外伝』の映画があるんやけど、行かへん?」と声をかけていただいた。「雨でも行かはりますか」って。(そりゃあもちろんでしょ)
国際交流基金京都支部 外国人のための日本名作映画上映会(英語字幕付き)だが、一見したところ日本人ばかり。それでも後席から英語での会話が耳に入ってきた。
白戸三平原作のコミック『カムイ外伝』。カムイに松山ケンイチ。小雪、伊藤英明、小林薫といった共演者の名。案内の解説文によるとー
監督・共同脚本の崔洋一、脚本・宮藤官九郎で実写化された2009年の映画で、長大な原作の中から「スガルの島」編に焦点を当て、自由を求めて忍者の世界を抜けた青年・カムイの壮絶な逃亡劇が描かれる、とある。
17世紀、社会の最下層に生まれたカムイは生きるために忍びの道へ。掟に縛られる世界から抜けようとすれば、掟によって抜忍(ヌケニン)として仲間からどこまでも追われる身となる。
心安らぐ日がくるのか…。
武器がスクリーンからこちらに向かってくる錯覚、サメが海上に飛び上がる、伊藤英明の両腕が切られ飛ぶ、隣席の女性が「うわあっ!」「うわあっ!」と声を出す。
通常ではありえない激しい人間の動きはCGあり、またワイヤー&ソードアクションとかいうのも見ものだそうだが、そうした場面に疲れを感じるのは年齢のせいに違いない。
〈軽蔑されようと差別されようと、自分の生き方を他人にとやかく言われる筋合いはない。弱音を吐かず、強がりもせず、淡々と自然体で生きる〉 とてもそんなふうには生きられなかった徳川の時代。
カムイの物語はどう展開しているのだろう。

陽光の明るさ、土の温みも増して、目覚めを促されたか。かたい地面を割って芍薬の芽が顔を出してきた。
芽の先端の紅いとんがりを見つけたときから、命のたくましさに触れたようで毎年なんともいえない大きな喜びを味わう。
まさに「一寸のたましいを持つ」の感だ。
「雪をのけたしかめてみる褐色の芽は一寸のたましいを持つ」と山崎