雨が降る花冷えの一日は外出することもなく、「一間にひとりづつこもり」休養日となった。
海の向こうから、母子3人ウォーキングに出て、ブランコで遊ぶ1枚が送られてきたが、着いたであろう息子からの連絡は、やっぱり来ない。
ひと言「着いた」でいいから連絡を、と言っておいたのに。時差、仕事仲間との連絡などいろいろあるわね…、と待っている。ま、いいか。
先日立ち寄った中古書店では、立ち読みはご遠慮願いますという店内放送が流れる。柱にもたれてじっと読みふける人に聞こえているのかどうか…。
もう何年も前の天声人語では、「立ち読みにまつわる最も美しい話」が紹介されていた。
【19世紀欧州のある街で、貧しい本好きの少年が毎日、書店のウインドーに飾られた一冊の本を眺めていた。読みたいけれどお金がない。ある日のこと、本のページが1枚めくられていた。翌日も1枚めくられていて、少年は続きを読んだ。そうして毎日めくられていく本を、少年は何カ月もかかって読み終えることができたそうだ】(『月光に書を読む』鶴ケ谷真一)
おとぎ話のような書店主の計らいとしながら、少年のように何カ月もかけて一冊にくらいつけば素晴らしいとあったのを、いい話だと思って書き留めていた。
乙川勇三郎作品にはまっているこの頃。『R.S.ヴィラセニョール』を読み終えて、『二十五年後の読書』と同時に出版された長編小説『この地上において私たちを満足させるもの』を読み始めようとしているところ。
「すぐれた小説は読者が読みながらなにかを吸収し、考えるもので、考えるためには見知らぬ世界や他者という難解な部分がなくてはならない」
書評家・響子の思いだった。
少年のように、一日の分は少なくても、じっくりはまっていきたい。
海の向こうから、母子3人ウォーキングに出て、ブランコで遊ぶ1枚が送られてきたが、着いたであろう息子からの連絡は、やっぱり来ない。
ひと言「着いた」でいいから連絡を、と言っておいたのに。時差、仕事仲間との連絡などいろいろあるわね…、と待っている。ま、いいか。
先日立ち寄った中古書店では、立ち読みはご遠慮願いますという店内放送が流れる。柱にもたれてじっと読みふける人に聞こえているのかどうか…。
もう何年も前の天声人語では、「立ち読みにまつわる最も美しい話」が紹介されていた。
【19世紀欧州のある街で、貧しい本好きの少年が毎日、書店のウインドーに飾られた一冊の本を眺めていた。読みたいけれどお金がない。ある日のこと、本のページが1枚めくられていた。翌日も1枚めくられていて、少年は続きを読んだ。そうして毎日めくられていく本を、少年は何カ月もかかって読み終えることができたそうだ】(『月光に書を読む』鶴ケ谷真一)
おとぎ話のような書店主の計らいとしながら、少年のように何カ月もかけて一冊にくらいつけば素晴らしいとあったのを、いい話だと思って書き留めていた。
乙川勇三郎作品にはまっているこの頃。『R.S.ヴィラセニョール』を読み終えて、『二十五年後の読書』と同時に出版された長編小説『この地上において私たちを満足させるもの』を読み始めようとしているところ。
「すぐれた小説は読者が読みながらなにかを吸収し、考えるもので、考えるためには見知らぬ世界や他者という難解な部分がなくてはならない」
書評家・響子の思いだった。
少年のように、一日の分は少なくても、じっくりはまっていきたい。