京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

花は咲くことのみ思い -4

2023年03月28日 | こんなところ訪ねて
友人の案内を得て、滋賀県大津市にある園城寺(三井寺)に花の盛りを楽しんだ。
京津線三井寺駅を下りれば、そこは琵琶湖疎水べり。


三井寺に向かう途中、まずは疎水に懸かる橋の上でひとしきり写真撮影に足を止める。
思っていた以上の人の出だった。



広い境内は桃山建築の金堂をはじめ、三重塔、勧学院客殿、三井の晩鐘で知られる鐘楼。そして天智、天武、持統の三天皇が産湯に使った泉の湧く閼伽井屋、西国十四番札所観音堂もありと多くの建物が散在し、建築博物館のおもむきとも言われるようだ。


琵琶湖展望



 

(左)閼伽井屋の正面に龍。夜な夜な琵琶湖で暴れる龍の目玉に、左甚五郎自ら五寸釘を打ち込んで沈めたと伝える。
(右)金堂正面には、天智天皇が自ら切った左薬指が灯篭の台座下に収められていると伝えられる灯篭が。

弁慶の引き摺り鐘


(もうたくさんね、さくらばかり。
でもこのあたりで、「るろうに剣心」の撮影があったんですって)

平家の南都焼打ちに先だって、まだ二十歳過ぎの平重衡を大将軍とした寄せ手によって園城寺が焼き討ちされたことは『龍華記』(澤田瞳子)でも触れている。比叡山と対立した歴史もあり、再三の兵火で消失したが、豊臣、徳川氏の尽力で再興されて今に伝わる。

  これはこれはとばかり花の 園城寺

どこをみてもさくらさくらさくら。言葉もなし。なんとも華やかな近江の春だった。
コメント (6)
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