季節外れの陽気に、午後から鞍馬に向かった。
九十九折の参道を本殿金堂まで歩いて30分(標高410m)。
「ケーブルカーで行こう?」という孫娘に、「せっかくだから歩かなくちゃ」と誘う。
歩きだしは少々きつく、山道に階段に、息切れはどうしようもないのだが、それでも次第にペースができてきた。とはいえ、で、最後の数段の階段は腰がもうふらふら、やっとこさ登り切ったというところだった。
日本の仏教教団では珍しい女性のトップを貫主(かんす)として40年以上も勤められ、寺とお山を守った信楽香仁さんという方のことを、息を切らし切らしJessieに話して聞かせながら進む。
92歳だった香仁さんのお話をこのお山までお聞きしに来たことがあった(2017.6.14)こと。去年97歳で亡くなられたこと。ここには水道がきてないこととか、…。
雪の中に明ける鞍馬の新春のさまを綴られた文章にしたためられた歌は、あたたかく心に残っている。
掌を合わすぬくもりの中に身をおけば
山の吹雪の音もうれしき
月のように美しく
太陽のように温かく
大地のように力強く
鞍馬の教えの中心にあるという。
「のどかわいたあー」と叫んだこの日を、記憶に残してほしい。
久しぶりの雨音が心地よい夜。「雨の音って好き」って18歳。