神前に鹿を捧げる古代の神事を今に伝える信州の古社・諏訪大社。
諏訪大社の一年を記録し、幻だった「御室(みむろ)神事」の〈芸能を再現〉し、諏訪の古代信仰の世界を描いたドキュメンタリー映画『鹿の国』を観てきた。
厳冬の3ヵ月間、神域の穴倉に籠められた、大祝(おおほうり)の代理であるオコウさま(神使 -少年)の前で芸能が繰り広げられ、祈りを捧げたりする。
そして春4月になると、化粧を施されて大祝が出現し、鹿の首を捧げる御頭祭(おんとうさい)が行なわれる。
大祝(おおほうり)とは、「くまん……の、この諏訪の地のあらゆる神、生命、精霊をも含めた集合体(?)」、確か、「9万7千〇びゃく〇〇」と聞き取ったはずが、忘れてしまった。
室町頃までは75頭の生首が捧げられたというが、今は本物の鹿であっても剥製を捧げている。
物の種をまき命を育み、田植えをして収穫を喜び合い、自分たちの生活圏近くに住む獣を狩猟し、その肉をいただくなど、生命の循環に感謝と祈りを捧げ、人間の四季の営みが繰り返される。
過去から現在、そして未来への祭りの継承の場面に、「鹿なくてハ御神事ハすべからず」だった。鹿は、海のない諏訪の里の産土神かしら。
「鹿の國」と聞かされてもさっぱりで、事前に監督の弘 理子(ひろ りこ)さんへのインタビュー記事を拝見しておいた。
諏訪信仰って…。ちょっと調べてみようか。
かつて観た死と再生の物語、映画「チロンヌㇷ゚カムイ イオマンテ 白川善次郎エカシの伝承による」を思い出している。
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