これまで2度ほどふれてきた。毎夜の就寝前の読書で、読んだまま眠ってしまっていた?という晩もあったが、とってもとっても面白く読み終えた。
文芸評論家・細谷正充さんが書評で書いておられたのだが、「常に前に進む松右衛門に、いつの間にかほれ込んでしまう」時間だった。
姫路藩高砂の漁師の家に生まれたが兵庫津に移る。海上を行き交う白帆の全てを画期的な発明で作り替えたり、その帆を織る地場産業を興し、また、新船の造船に、港の整備に、工事専用船を作り出したり…とまさに工夫を楽しむ男、工楽松右衛門の一生が魅力的に描かれる。
瀬戸内の島々を抜け、北前へと航路をとって出雲崎、新潟、そして樺太、択捉、箱館…と北前船を馳せる。
兵庫津の者の利益だけにこだわらず、船に乗る者がみな等しく栄えるために。自分一人が楽になっても何ほどのこともないが、天下が改まれば、そこで暮らす庶民がこぞって楽になり、大きな福となる。
「人として天下の益ならん事を計らず、碌碌として一生をすごさんは禽獣にも劣るべし」
大蔵永常が著した『農具便利論』に、松右衛門の言葉として記されているという。
彼の一生は、『思いがけず利他』(中島岳志著)という書名を思い出させた。
幕府は老中田沼意次になってようやく北方防衛の必要性を感じ始め、蝦夷地探検に着手する。蝦夷地の海に生きるすべての人間のためにと、恵土呂府に港を築いた。後にロシアによって壊滅的な被害を受ける。高田屋嘉兵衛の再建の頼みを断り、択捉からは手を引く。
これまた魅力な女性たちの心ね。彼を支える幼馴染み。どれも文句なしに楽しんだ。オススメです。
『帆神…』でも彼の名前を見つけたが、今度は蝦夷地の探検で知られる最上徳内の生涯を描いた『六つの村を越えて、髭をなびかせる者』(西條奈加)を手に入れた。
出羽で貧しい暮らしをしながら、やがて江戸に出て勉学に励む。そして田沼意次が派遣する蝦夷地探検隊の測量係となった最上徳内。アイヌのために尽くした彼の人生とは…。
文芸評論家・細谷正充さんが書評で書いておられたのだが、「常に前に進む松右衛門に、いつの間にかほれ込んでしまう」時間だった。
姫路藩高砂の漁師の家に生まれたが兵庫津に移る。海上を行き交う白帆の全てを画期的な発明で作り替えたり、その帆を織る地場産業を興し、また、新船の造船に、港の整備に、工事専用船を作り出したり…とまさに工夫を楽しむ男、工楽松右衛門の一生が魅力的に描かれる。
瀬戸内の島々を抜け、北前へと航路をとって出雲崎、新潟、そして樺太、択捉、箱館…と北前船を馳せる。
兵庫津の者の利益だけにこだわらず、船に乗る者がみな等しく栄えるために。自分一人が楽になっても何ほどのこともないが、天下が改まれば、そこで暮らす庶民がこぞって楽になり、大きな福となる。
「人として天下の益ならん事を計らず、碌碌として一生をすごさんは禽獣にも劣るべし」
大蔵永常が著した『農具便利論』に、松右衛門の言葉として記されているという。
彼の一生は、『思いがけず利他』(中島岳志著)という書名を思い出させた。
幕府は老中田沼意次になってようやく北方防衛の必要性を感じ始め、蝦夷地探検に着手する。蝦夷地の海に生きるすべての人間のためにと、恵土呂府に港を築いた。後にロシアによって壊滅的な被害を受ける。高田屋嘉兵衛の再建の頼みを断り、択捉からは手を引く。
これまた魅力な女性たちの心ね。彼を支える幼馴染み。どれも文句なしに楽しんだ。オススメです。
『帆神…』でも彼の名前を見つけたが、今度は蝦夷地の探検で知られる最上徳内の生涯を描いた『六つの村を越えて、髭をなびかせる者』(西條奈加)を手に入れた。
出羽で貧しい暮らしをしながら、やがて江戸に出て勉学に励む。そして田沼意次が派遣する蝦夷地探検隊の測量係となった最上徳内。アイヌのために尽くした彼の人生とは…。
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