「人は流転し、消え失せ、跡に塔が残った。塔の名を瑠璃光寺五重塔という。」
こう書き出される『見残しの塔 周防国五重塔縁起』は、久木綾子さん89歳での作家デビュー作。取材・構想に14年、執筆に4年をかけたことなど、出版当初から話題になったようだ。
私がどういう経緯で手に取ったのかは今思い出せないのだが。
実は先日、何気なく目にしていたNHKのテレビ画面で、7日の「解体キングダム」という番組の1分もない?予告に目が留まった。解体修理でもしているような画面に、〈瑠璃光寺〉の文字も見つけた。令和の大修理でも進行中なのかしら。まだ目にしたことのない五重塔だけれど、これは見逃したくないと意識したのだった。
で、取り出した文庫本。ここには当時ネットから得た書評のコピーを挟み込んである。
〈村人たちが待ちに待った、椎葉ゆかりの本がついに世に出た)とある。
〈椎葉・十根川神社の宮司の次男として生まれた左右近(さうちか)が大工見習いから修行を積んで副棟梁になって、周防国瑠璃光寺の五重塔を建築するまでの数奇な運命をたどる物語である。〉
〈椎葉の血が流れている瑠璃光寺五重塔〉といった表現もあり、馴染み深い地名や方言の駆使を喜ぶ弾んだ胸の内、郷土人の誇りがにじんでいる。
「長い年月、塔を建てるために周防山口に参集した人たちがいた。膨大な量の木材を削り、部材を作り、百尺の塔をその手で組み上げた番匠たち。それを支えた数多の職人たち」
「彼らは、塔が、今日まで六百年近くも立ち続けると思っていただろうか。」
大正4年に解体再建工事が行なわれたとのことで、このとき墨書した巻斗(まきと・肘木の上にある小さい升形)が発見されて、年号、月日、時刻が明記されていたことから塔の建立時期が判明したのだそうな。ただ、「此のふでぬし弐七」とだけあって、名前はなかったと書いている。
誰が、何のために・・・。
この最初の部分に触れるだけでも引き込まれずにはいられない。…でしょ?
私にはタカラモノのようなこの2冊。
明日は絶対に忘れずに〈解体キングダム〉を見るのだわ。
こう書き出される『見残しの塔 周防国五重塔縁起』は、久木綾子さん89歳での作家デビュー作。取材・構想に14年、執筆に4年をかけたことなど、出版当初から話題になったようだ。
私がどういう経緯で手に取ったのかは今思い出せないのだが。
実は先日、何気なく目にしていたNHKのテレビ画面で、7日の「解体キングダム」という番組の1分もない?予告に目が留まった。解体修理でもしているような画面に、〈瑠璃光寺〉の文字も見つけた。令和の大修理でも進行中なのかしら。まだ目にしたことのない五重塔だけれど、これは見逃したくないと意識したのだった。
で、取り出した文庫本。ここには当時ネットから得た書評のコピーを挟み込んである。
〈村人たちが待ちに待った、椎葉ゆかりの本がついに世に出た)とある。
〈椎葉・十根川神社の宮司の次男として生まれた左右近(さうちか)が大工見習いから修行を積んで副棟梁になって、周防国瑠璃光寺の五重塔を建築するまでの数奇な運命をたどる物語である。〉
〈椎葉の血が流れている瑠璃光寺五重塔〉といった表現もあり、馴染み深い地名や方言の駆使を喜ぶ弾んだ胸の内、郷土人の誇りがにじんでいる。
「長い年月、塔を建てるために周防山口に参集した人たちがいた。膨大な量の木材を削り、部材を作り、百尺の塔をその手で組み上げた番匠たち。それを支えた数多の職人たち」
「彼らは、塔が、今日まで六百年近くも立ち続けると思っていただろうか。」
大正4年に解体再建工事が行なわれたとのことで、このとき墨書した巻斗(まきと・肘木の上にある小さい升形)が発見されて、年号、月日、時刻が明記されていたことから塔の建立時期が判明したのだそうな。ただ、「此のふでぬし弐七」とだけあって、名前はなかったと書いている。
誰が、何のために・・・。
この最初の部分に触れるだけでも引き込まれずにはいられない。…でしょ?
私にはタカラモノのようなこの2冊。
明日は絶対に忘れずに〈解体キングダム〉を見るのだわ。
>引き込まれずにはいられない
はい、引き込まれてしまい、作者の久木綾子さんを知りたく、このページを知りました。
https://books.bunshun.jp/articles/-/2613?page=2
すごいです。
「此のふでぬし弐七」ここからもう若者が見えてたのですね。
「解体キング」私も観た事あります。
明日、見て観たいです。
私も早速、読んでみたくて注文しました。
楽しみです。
山口の瑠璃光寺を訪れたことがあります。
司馬遼太郎さんが「街道をゆく」の中で「長州はいい塔をもっている惚れぼれする
おもいであった。」と、書かれている通りの素晴らしい塔でした。
椎葉村の鶴富屋敷を訪れた時には、十根川集落にも立ち寄り十根川神社の八村杉も
見てきました。この神社の宮司の次男が瑠璃光寺五重塔の建築に関わっていたとは
驚きました。良いタイミングでご紹介いただき明日のNHKの放映に間に合いました。
ありがとうございます。
この番組数回見たことがあります。夫が見ていて。
明日は自主的に!!
前回のコメント間違えました。2回読んだのに(;^_^A
今日は、久木綾子さんという方のプロフィールなど見てきたりしてコメントです(*^^*)
89歳で小説家デビューと言いましても、当たり前ですが、それまでに学びを積み重ねてなのですね。
その方が書かれた塔の解体。修理に向けての解体と想いたいです。
明日を楽しみに致します。
さっそく番組名を間違えて記していまして、訂正しました。
りりんさんに、羽黒山の五重塔が修復中と教えていただけた、あの直後ぐらいに一瞬の予告を目に留めたのです。
羽黒山五重塔参拝は2017年7月の末でした。
「すごいです」、ほんと。拝見しました。尊敬してしまいます。
訃報の記事も残してあります。
明日を楽しみにしたいですね。
nashiさんにはきっと楽しんでいただけると思います。
『禊の塔』を読んで、ぜひとも塔の前に立ってみたいという一念、こちらは夢を叶えました。
解体修理の様子ってなかなか目にできませんし、
明日を楽しみにしています。
いいですね、参拝されてらっしゃるのですね。
若葉の頃がいいのかなあなんて勝手に思い描いては来ましたが、未だです。
椎葉にも行かれて! お~、神社の杉もきちんと。
この作品で、椎葉の描写がたまらなく印象に残り、知ったような次第でした。
今回すこしでも読み返そうと頑張ったのですが、ちょっと読んではあれこれ想像して、
あちこちページを繰ってちっとも進まずでした。
おいおい読み返すとして、明日は楽しみに見てみたいですね。
建立に携わった番匠たちを小説に書きたい、と「文芸山口」に入会されるのですね。
「18年間、飽きもせず、諦めもせず、運命のように一編の小説の完成に気息が続いた…」
文庫のあとがきに描かれています。
こういう方がいらしたこと、尊敬してしまいます。
先ずは明日、楽しみにしたいですね。
京都には多くの塔がありますね。
この瑠璃光寺五十塔の小説を作家の魂が読んでいて
心の中でに蓄積されて。
色々な塔を拝見しても、この五重塔のことは
重く残っていますね。
89歳の作家の小説・・重みがありますね。
「人は流転し、消え失せ、後に塔が残った」
重みのある言葉ですね。
いつか目の当たりにしたいと思い続けていながら、参拝の機会が得られないままです。
見残さずに「美残し」としたいですね…。
ふっと思い出しました。もうずいぶん前ですが、法隆寺の大修復を棟梁として率いた
宮大工・西岡常一さんを追ったドキュメンタリー映画を観ました。
「鬼に訊け」でした。千年先にいのちを継ぐ。「木は鉄より強し」と。
小学生がお母さんと二人で見に来ていました。あの子どうしたかなあ…、と
たまたま出会った子ですのに思い出しました。
修復があるから技術も伝承されるのですね。
今夜を楽しみにしています。