京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

今日のひと日をよろこびて

2022年09月29日 | 日々の暮らしの中で
ぽっかり空いた一日。
小説『ノボさん』や上田三四二の『短歌一生』を手に取りながら、9月が終わった先の予定に思いがいく。
覗いてみたい催し物がいくつもあるし、ちょっと心にかかることも含めて、どこまで欲張れるか日程をやりくりしてみていた。

雄略天皇のお召しを待つうちに八十歳にもなってしまった女性、赤猪子の話がある。
  
 日下江の入江の蓮(はちす) 花蓮 身の盛りびと 羨(とも)しきろかも   (『古事記』)

「身の盛りびと 羨(とも)しきろかも」
若さを羨む、嘆きの歌とされるが…。
いつしか歳を重ね、かなわずにいることを抱え持ったままだという人、あるいはまたまだ道半ばと精進される人、きっとたくさんいることだろう。
一つでも二つでも、やり残していることに向かって八十歳までの道を歩いていきたいものだ…。


  一日をゆっくり見つめ
  ゆっくり歩いて
  ゆっくり書いて
  ゆっくり生きて      高木護

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2 コメント

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今日の1日を~ (Rei)
2022-09-30 21:25:54
無事にと思って過ごしています。
若さを羨む、嘆きの歌>私にも若いときはあったのですから
若さを羨むことはありませんが
越し方行く末を毎日のように思っています。

どんぐりの背比べと言いますが
随分違う形のどんぐりがありますね
まぁるいのは見たことありません。初めてです。
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来し方行く末 Reiさん (kei)
2022-09-30 22:55:28
赤猪子の歌と小町の「花の色は…」、
そこに西行の「常よりも心細くぞ…」と芭蕉の「年暮れぬ笠きて…」の句と並べ、
上田三四二が評している箇所がありまして、
『古事記』を取り出しました。

何かしら新に生まれたり、覚醒するかのように顔を出す関心事…。
知れてはいますが、もう少し欲を出してみようなんて思いつつ、
こうして無事一日を終えることができて感謝です。

まるいのはクヌギですね。
拾って、見せる幼子がいると楽しいのですが~。
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