京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

自分にとって大切なものが

2024年11月01日 | 日々の暮らしの中で
興膳宏氏の『漢語日暦』11月1日の項には、「古典」の言葉が挙げられている。
古典の「典」は、人が生きてゆくために則(のっと)るべき規範を指していたこと。今では古典と言えば、「長く読み継がれる、価値ある書物」の意に拡張して用いられるようになったことなどが解かれている。

「自分にとって大切なもの、心に残ることが、ほかの人には何の感動も呼ばないということは珍しくない」
石垣りんさんのこの言葉に触れたとき、軽いショックを覚えたものだ。
そうだ、珍しくない。立場を変えてみたってわかることだ。でもこうズバッと言われてしまうとかわしようがなく、クスッとさせられもした。


人は誰もが、それぞれに、自分だけの興味や関心の世界をもって生きている。必然、それによって情報の選別だってなされる。

その人の独特なフィルターを通して心の揺らぎや感覚、思念が言葉にされる。表現されたものを理解しようと、わずかな言葉にも探りをかける。
要は、「違う価値観の中にも『わかる』と思う部分」を探したりしているのか。自分の経験を重ねて考える。と、他者との違いを知る。
それは、自分が見えてくるってことなのでしょうか…。

「古い物語の魅力は、人々の間に伝えられ、読み直され、語り直されてきた魅力だ。古い物語は、人々がそこに、自分の経験を読み込む場所なのだ」(長田弘)
古典に限らず、秋の夜長に一冊の本を読んで、自分の人生に引き寄せて考え、会話して、胸に残った一節を切り取って、言葉にして、それを楽しみたい。

いいね集めより、ずっと豊かな時間です。と、どなたかが言われていたっけ。今日は本の日でもあるらしい。


12年に一度の御開帳ですって。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんばんは^^ (Ranchoです。)
2024-11-01 23:18:57
おっしゃる通りですね。
わたくしも、そう思います。
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「思いの架け橋」 Ranchoさん (kei)
2024-11-02 10:51:53
こんにちは。
昨夜からかなりの雨量になっています。

古い書物と向き合うことの多いRanchoさんですね。
先ずはどのような内容が綴られているのかの理解に努めるのでしょうね。
そしてどのような橋を架けていくのか、いけるのか。
平素から少しでも自分を肥やしたいものですね。

価値観の違いに、橋は「即座に外すこともできる」。
でも、「他人様に通ってもらえる橋でなければだめだ」と竹西寛子さん。
書く側でも心しなくちゃならないなと思うことしきりです。
違いがあって当たり前、そこをどう往来するか。
日常に様々ヒントもありそうですね。
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早速コメント頂きありがとうございます (Rei)
2024-11-02 18:14:24
半年弱のブログ休憩でしたのに、編集はじの手順
すっかい忘れてしまいました。
頂いたコメント、なぜか二重投稿になり
片方消したいのに消せません。
慌てています、お許しください。
ゆっくり頭を冷やして考えてみます。
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日に日に首が… Reiさん (kei)
2024-11-02 22:15:20
まだかなあ~と、首も伸び切るほどでしたわ。
なんとも言えない暑さの連続の日々に、「涼しくなったら」をひたすらお待ちしました。
お誕生日が踏み出きっかけに背を押してくれましたね。
またいろいろお話をお聞かせください。

「編集」の左サイドにある「コメント管理」から、ダブった一つを削除なさればよいはずです。
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