ベニシア・スタンリー・スミスさん。
イギリスの貴族の出身で、19歳で祖国を離れ、日本には1971年に来られたのだという。
96年から大原の古民家に家族で移住された。
かつて、山里での暮らしぶりなどが地元紙に連載された時期があった。またNHKのEテレで放送された「猫のしっぽ カエルの手」は、日曜午後6時からの楽しみでもあった。
画面に見るベニシアさんのお顔に、亡き義母が二重写しになるほど似て見えるので、そんなことも長く番組にひかれた要因かもしれない。
あの番組、いつ終わったのかしら。
視力がかなり衰えているようで、「ほとんど見えない」と話されていた。両手を広げ、庭の敷石の上を手探りされていたのを覚えている。
祖国を想う日もあるだろうし、人は老いて、病む。歳を重ねてゆく人の姿も、知恵も、拝見し味わせていただいてきた。
昨夜ネットニュースで訃報を知り、今朝の新聞ではお顔があった。6月21日逝去 72歳。
人は毎日が平凡な日々であることを願って暮らす。
だが、いろいろなことがふりかかる。
でもそれが人生のすべてではない。
毎日をせいいっぱい生きて、夢を持ち続けよう。
番組の最後をこう結んだときがあった。
彼女への敬意、人柄への思慕が、訃報に接した寂しさの芯となっている。
「…それが人生のすべてではない」。
そんだ、そうだ。頑張れる気がしてくる。
ベニシアさんと地元の方々との間にも、たくさんの実を結んできたに違いない。
(ヤマボウシの実)
ベニシアさんのNHKの番組楽しみでした。お身体のお具合が良くないとお聞きしていて、心配しておりました。残念ですが、学んだ事を忘れず、ベニシアさんの事も決して忘れません。なおとも
なおともさんもご覧になっていたのですね。
静かでしみじみとした良い番組でした。
太原はすぐそこ。
そこにこうした暮らしがあることが、ある意味では別世界のようでもあり、
また親しみもありました。
イギリスから来られて、このように生きた方がおられたことに、感じることいっぱいです。