京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 年の瀬、今昔  

2009年12月28日 | 日々の暮らしの中で
【下旬に入るとすぐ冬至だ。家々ではあらかじめ囲っておいた南瓜を煮、柚子湯を立てる。町々の銭湯の入り口に、いつも鮮明な原色で柚子の絵を描いた柚子湯のビラが貼られると、めっきり師走の気分にかり立てられる。遅い銭湯の戻りには、柚子の香をさせた手拭がそのまま氷る。
 やがてあちこちの町角にはザラ市の仮小屋が立ち、浅草観音のガサ市で仕入れてきた輪飾り、大根〆(じ)め、牛蒡〆め、楪(ゆずりは)、橙(だいだい)、海老その他の正月用品が売られる。仕事師たちは刺子の半纏(はんてん)を羽織り、赤々と火を焚いて夜更けまで客を待つ。】
 俳人安住敦(あずみあつし)の『随筆東京歳時記』(1969年刊)が記す。

40年前の東京の「年の瀬」風景ということになる。

玄関・神棚に注連縄を飾り、鏡もちでの正月飾りを玄関や床の間、仏壇、火や水回り、それぞれ自分たちの机の上になどと置いて回った子供の頃。初代の肖像の掛け軸も年始にはお飾りをする。几帳面な父のもと、皆での迎春準備は懐かしい。
年末年始は家族全員が揃う、ずっと暗黙の約束ごとだった。紅白歌合戦を見て「ゆく年くる年」で除夜の鐘を聞き、日付が変わって床につく。40年前、こんな調子だったはずだ。

今でも鏡餅は飾る。本堂・お内仏の飾り付けが優先され、どうしても庫裏は後回し。紅白歌合戦を見られなくてぼやいた結婚一年目の大晦日。しかし翌年からも見ることがない。見たいとも思わなくなる不思議さ。
でも、ゆっくりしたいとは思うんだけどね、ちょっぴり。温泉にでも入ってゆっくり年越し… あ~~、こんなことできたら・・・夢!

「えびいも」をいただいた。頭いもの変わりに今年はこれでいただこう。聖護院だいこん、金時人参など、白味噌仕立てのお雑煮。三日目は子供時代と変わらずにおすましでいただいている。きっと土地による風習の違いもあることだろう。
「お正月」、いい響き~。
コメント (8)
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