10月22日
昨晩から降り出した雨、朝まで残っていたが9時に宿を出発する頃には傘も必要ないほどになったのはラッキー。
それでもどんよりと灰色の空の下、こちらでもジャンボタクシーでやって来た最初の観光スポットは万関橋。
南北に細長い対馬の島は上下2つに分かれていてこの橋が唯一それを繋いでいるのだが、元は1つだった島の一番狭い部分を明治34年に日本海軍が掘削して水雷艇が通れるようにした。
そのころ警戒していたロシアの艦隊が島のどちら側に出没しても素早く対応できるようにと掘られたそうだが、現在でも幅40m、深さ4.5mのこの水路、完成当時は幅25m、深さ3mだったそうで、上から見てこんなもので役に立つのかと思うほど狭いが、島をぐるりと回らずに東西を行き来できるのは当然ながら便利なのだそうだ。
次に立ち寄ったのは西漕手と呼ばれるところ。
万葉時代にはここから大陸に向かう船が出たそうだが、緑の水面に周りの木々が映って、紅葉の季節にはきれいだろう。
島の中央を深くえぐっている浅茅湾を回って次に訪れたのは和多都美神社。
海の中に鳥居が2本立っていて、水上から参拝するようになっているのはいかにも島の神社らしい。
祀られている彦火々出見尊とは日本神話の山幸彦。竜宮城の豊玉姫を妻に娶った。
境内には三柱鳥居や奉納相撲のための土俵などもあって、いかにも古いパワースポットと言う感じがする。
ここから山を上がった所にあるのが烏帽子岳展望台。
標高は176mだが周りを360度見渡せるようになっていて
あいにくと雲が低いが、入り組んだ湾や山ばかりの地形がよくわかる。
ここから韓国の釜山までは50キロほどしかないが、この天気では当然のことながら影も見えない。
この後は島の上部へ移動。壱岐に比べると移動距離がずっと長く感じる。
途中、そば打ちもできるというお蕎麦屋さんで昼食。
ツアーの案内には「いりやきそば」とあったので焼きそばが出るのかと思ったら
「いりやき」という肉や野菜を煮たものを汁そばに乗せたもの。対馬のそばは対州そばといって原種に近いものだそうだが、店内の表示に収穫量が少ないので九州産と混ぜているとあり、特に違いは分からず普通においしいおそば。
デザートに頼んだそばアイスはきな粉アイスのよう。ツシマヤマネコの器がかわいい。
食後は島の北端の韓国展望所へ。
ここが韓国に一番近いわけだが
やっぱり韓国の姿は見えず。
展望台の中には夜景の写真が飾ってあったが、居合わせた別のツアーのガイドさんによると見える時は車のヘッドライトが動いているのまでわかるのだそうだ。
ところでこの展望所の周りには変わった花がいっぱい咲いている。
そこで例のアプリで検索してみると「唐綿(トウワタ)」と出たので同じツアーの人に教えると周りにいた人たちまで「トウワタですって」と伝言ゲーム。違っていたらどうしよう(笑)。
比田勝は島の北東にあって釜山からの船が着くところだが
国際ターミナルには当然人影もない。
もっとも韓国からの観光客がいなくなったのは今年に始まったことではなく、昨年の徴用工問題で日韓関係が悪化して以来だとか。一般の韓国人の対日感情がそれほど悪くなったわけではないが、日本より同調圧力の強い国のこと、来てもSNSで写真を上げるわけにいかないし、買った日本製品を見せびらかすわけにもいかないからだそうだ。
途中、台風で葉が落ちてしまったかわいそうな「琴の大銀杏」を見て、2時間ほどかかって下対馬の西岸へ。
こちらの椎根という集落にあるのは石屋根倉庫群。
文字通りの倉庫だが、屋根に使われている石材がとんでもなく重そう。
この倉庫の裏には藁が積まれていたので今も現役なのだろうか。
衣類や穀類を格納したものだそうで、火災から守るために倉庫だけを人家とは離して、しかし倉庫同士は密接して建てられている。
今は石屋根を普通の瓦に変えてしまっている所も多いようだが
この石屋根はかっこいい。
本日の観光はこれにて終了。
夕食は宿の外に出て
こちらの料理屋さんのお座敷で
お寿司にお刺身、天ぷら、唐揚げ、とんちゃん焼き、とメニューにあるものみんな出しましたと言う感じ。
島の食事には旅行社も苦労するようだ。
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