6月28日
8時に宿を出て8時55分発のフェリーで稚内へ向かう。
ハートランドフェリーは三隻で運行しているが、今回は三度とも同じサイプリア宗谷だった。
香深港を出た時にはどんより曇っていたものの、出航してしばらくすると雲が晴れて利尻富士が見えてきて
ノシャップ岬の自衛隊基地を過ぎるころには頂上までくっきり見えた。
フェリーは驚くほど時間に正確で定刻ぴったりの10時50分に稚内港に到着。
下船したらジャンボタクシーに乗って、まずはターミナルのすぐ横の防波堤ドームへ。
列柱が印象的で波がかぶさってきたようなこのドーム、昭和11年に稚内~樺太の定期船発着所として作られたということでその記念碑や列車の車輪が飾られている。
次にやって来たのは先ほど船で通過したノシャップ岬。
ここはノシャップ、根室にあるのはノサップと紛らわしい。
市内中心部から丘を上った所にあるのは稚内公園。
眼下にはフェリーターミナルが見え、氷雪の門など樺太からの引き揚げ記念碑がいくつもあるが、今日はサハリンは見えない。
それより運転手さんお勧めのソフトクリーム、ミニは200円だけれど盛りがいい。旅先では一日一アイス(笑)。
ここからは宗谷湾沿いに東に向かって宗谷岬方面へ向かうが、稚内市内が青空なのに行く手には低い雲。
周氷河地形と呼ばれる谷を見下ろす丘の上は霧に包まれていたが、よく見ると鹿が何匹か見え
周りの牧場にいるのは稚内黒毛和牛。
牧場を過ぎて宗谷岬公園の高台でお昼。
間宮堂は4月から11月までしか営業していないそうで
色紙でいっぱいの店内でいただいたのはホタテラーメン、800円。あっさりした塩味のスープで、寒かったのでアツアツスープがうれしかった。
この宗谷岬公園はなぜか記念碑だらけで
折り鶴のようなものはソ連のミグ戦闘機に撃墜された大韓航空機の慰霊塔とか。
海べりでは間宮林蔵が日本最北端の碑とともにサハリン方面を眺めているが
43km先のサハリンの姿はやはり見えない。
一度丘の上に戻り案内されたのは「白い道」。
周りは牧草地が広がるだけで何もない所だが、ホタテの貝殻が3kmに渡って敷き詰められていて文字通り真っ白。2011年に市役所の職員が思いついて実現し、今や観光名所になっているのだそうだ。
また稚内市内に戻り、今度は南へ。
宗谷岬を離れたとたんに青空になったが、やってきたサロベツ原生花園のビジターセンターは閉鎖中。
木道は自由に歩けるが、広ーい湿原に花の姿は少なくて
目立つのは礼文島でたくさん見たエゾカンゾウばかり。
ただよく探せば
トキソウ、オオヤマフスマ
ヤナギトラノオ、カラマツソウ
コバイケイソウ、ワタスゲ、それにカキツバタも咲いていた。
この湿原はフラワーウォッチングよりもバードウォッチングに向いているようだ。
原生花園を出て稚内へ戻るべく海岸沿いの道を行くと
ここにもまたエゾカンゾウ、スカシユリ、ハマナスがいっぱい咲いていて
海の向こうに利尻山のシルエットが見える。
今回の旅、一番印象的だったのは結局利尻富士だったと思う。
稚内へ戻って、今夜の宿は南稚内駅近くのホテルニューチコウ。
かなり年季の入ったビジネスホテルで、部屋がタバコ臭いのには辟易。
食事も社食の定食みたいだが、食べすぎ防止にはちょうどいいか。
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