Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

ザンスカール再訪 13 プクタル・ゴンパ

2018-09-07 18:56:51 | チベット文化圏
7月25日

とても健康的な毎日なので今朝も5時に目を覚ます。
室内の温度は19℃、標高3800mの場所だが外もそれほど寒くない。

チャパティの朝ご飯をいただいたら外を眺めてのんびり。
 
それと言うのも本来であれば早朝にあるはずの勤行、ダライラマの説法会のためにえらいお坊さんたちはパドゥムに行ってしまって今日はなし。小坊主たちもゲストハウスに遊びに来ているぐらいなのだ。

 今日は昨日とは打って変わって素晴らしい青空。
 
山の端の影になっていたゴンパにもやがて日が差してきた。

8時を過ぎた所でお寺見学に出発。
 
距離は短いが急な登りをぜえぜえと上ると
 扉には英語の注意書き。
こんな山奥ではあるが、ここはラホールのダルチャからパドゥムへのトレッキングルートにあり、ヨーロッパ人が結構訪れているようだ。

  
門をくぐると崖にへばりつくように建てられた僧坊が上へ上へと延びていて、本堂は頭上の崖の中。

  
小坊主の落書きのある扉など眺めながら階段を上がって行く。

途中には昔ながらの厨房があって
  
 岩壁の中は天然の保冷庫なのだろう、バターを入れてあるのが面白い。

さらに上がると岩のドームの中に出て
 右手には最近建て直されたらしくきれいな本堂。
  
左手にはチョルテンと、さらに奥にも石造りの部屋が見えるがそちらへは入れない。

 この洞窟から左手にさらに上がった所にあるのがゴンカンとカンギュール。

鍵を待つ間下を眺めると
 
お坊さんたちはお掃除をしたり、飾り物を付け替えたりと忙しそう。
なんでも明日はどこかの偉いリンポチェがいらっしゃるので、その準備だとのこと。

やがて鍵を持ったお坊さんが来てくれて、3階のゴンカン、2階のカンギュールの中を見せていただく。
 
残念ながら内部は撮影禁止なので入口の写真しかないが、特にカンギュールの内部は真っ暗だが新グゲ様式の壁画に覆われていて、懐中電灯で照らすと魅力的な菩薩像が次々と浮かび上がる。
しかし脳内HD容量が少ないので細かい所は覚えていられず、素晴らしかったという印象だけが残る。それでいいのかもしれないけれど。

タンカのたくさん掛かる本堂の中も見せていただいたら
  
岩をくりぬいた通路を通ってゴンパの反対側に出て、山本氏おすすめのビューポイントを目指してゴンパの上に回る。

 ゴンパの真上には杉の木が一本ポツンと立っていて、この木はもちろん聖木、この下の洞窟には聖なる水が滴り落ちているとか。

さらに回り込むと
 
眼下にプクタル・ゴンパの全景。これはやはり苦労して登って来た甲斐があった。

 崖の上にはチョルテンが並び

対岸の集落もいい眺めだ。

 崖から降りて一休みしたら昼ごはん。

午後は自由でほかのみんなは山本氏と対岸の集落に出かけて行ったが、自分はもう一度プクタル・ゴンパに行ってカンギュールの壁画を一人でゆっくり見せていただく。
付き合ってくれた鍵番のお坊さん、時々照らしだす菩薩の名前を教えてくれたり、中のチョルテンの裏にも絵があることを教えてくれたり。本当にここまで来てよかった。

午後のゴンパでは小坊主たちが掃除に駆り出されていて、厨房では供え物の揚げ菓子作りもしている。
 
と思うとピストルのおもちゃで遊んでいる子もいたりして、小坊主でも子供はやっぱり子供。

宿に帰って昼寝などして、さて夕食は、と厨房を覗くとポーター兼コックたちがチュタギの用意をしている。
  
この作り方は教わったので早速お手伝いで大量のチュタギを作って
 
今夜は庭にテントを張った他のお客さんたちもみんなチュタギの夕食になった。


 ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ザンスカール再訪 12 パドゥム~プクタル

2018-09-06 17:59:52 | チベット文化圏
7月24日

本日は今回の旅のハイライト、プクタル・ゴンパへのトレッキング。

 フレンチトーストの朝食をいただいて、7時には車で宿を出発。

 パドゥムから南東へ、ルンナク川に沿って未舗装の道が続き
 
川べりの岩の上に建つ僧院を過ぎても小さな集落がぽつぽつと現れるが、「あの村は家が5軒、こっちは2軒、1軒」などとドライバーが面白がって教えてくれる。

出発から2時間半でアンムーと言う村に到着。
案内ではここから歩きと言う話だったが、今年は道路がまだ先まで伸びた、ということでさらに30分。 
 この先は工事中の停止標識の所が終点。5キロぐらいは助かった感じ。

すぐ脇に小さなお寺の茶店があったのでそこでチャイをいただいて
 10時半にトレッキング開始。
空は雲に覆われているが、影の全くないこんな山道を歩くには絶好のコンディション。

出発地の標高は3700m。
 
1時間歩くとツァラブ川とカルギャク川の合流点があって、眼下にはたくさんの馬が見える。

ツァラブ川の方へ入って行くと
  
 
すぐにチャ―村に到着。ここまではわりと平坦な道なので楽勝。

村にはゲストハウスが2軒あるので、そのうちの一軒でお茶をいただき
  
 
この家の子供の物だろうか、教科書を眺めながら持参のお弁当でランチ。
教科書は英語が主で国語はヒンディー。地元の言葉はチベット系のラダッキだからここいら辺の子供は3ヶ国語をしゃべる。

 我々の荷物を運んでくれるポーターさんたちにもゆっくり休んでもらい、1時間したら出発。

 
村を出るとすぐに小さな池があって、プクタルから降りてきたのか、小坊主たちが遊んでいるが
 
この先が急坂になっていて、この登りがきつい。
坂を上りきった所には石の見張り台のようなものがあって、ここが本日の最高所、標高4200mほど。

 
ところどころに咲く野バラなど見ながらダラダラと続く下り道を行くと、やがて前方に真っ赤な崖、その向こうには緑がかった岩山が見えてくる。

坂を下りきると川を対岸に渡る心もとないつり橋があるが
 
我々が渡るのはこの小さな石の橋だけ。

 
そして最後の坂を上ると建設中の門があって、これをくぐると
 終点!
到着したのは15時10分。距離は8キロぐらいだろうが、休憩を除いて3時間40分かかった。

 チョルテンの向こうに見えるのが目的のプクタル・ゴンパ。
 
今夜の宿泊はお寺のゲストハウスで、入るとすぐに食堂、奥には個室が5つ。
 
シンプルそのものの部屋だけれど、ちゃんと電気がつくし、水の流せるバスルームもあって予想よりずっといい。
 
管理人もお坊さん、ジュースやお菓子も売っているので寺の小僧たちがおこづかいを持ってやってくる。

今日はもうお寺を遠望するだけ。
 
ザンスカールに崖の上に建つ僧院は多いけれど、こんな風に崖にめり込んでいる所はそうはない。

さて、ゲストハウスでの夕食、山本氏によると去年はかなり寂しいものだったらしいが
 
今年の我々のポーターさんはコックも兼ねていて、作ってくれたテントゥクは野菜一杯でおいしい。

 
夜になっても最近電気が点くようになったと言うプクタル・ゴンパには明かりが灯り、我々の宿の上には月が出た。


 ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。 
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ザンスカール再訪 11 パドゥム

2018-09-04 18:17:51 | チベット文化圏
7月23日 続き

ダライラマのお説法はまだ続いていたが、我々は一足先に失礼をしてパドゥム中心街にあるホテルにチェックイン。

 
Chamling Kailash Hotel はカルシャ・ゴンパの経営だそうで、中庭を囲んで部屋が並んでいる。

 
もらった部屋は中庭側にしか窓がないので暗いが、部屋は十分に広く、熱いお湯もちゃんと出る。

 
ジモティーにも人気という2階のレストランでべジ・モモをいただいて、午後は山本氏と隣のピピティン村まで散歩に出ることに。

ホテルに入った時には町は閑散として、店のシャッターもほとんど閉まっていたのだが
 
説法が終わってみんな街に繰り出してきたらしく、通りは山本氏も見たことがないと言うほど人でいっぱい。
 
シャッターを開けた店も買い物客でにぎわっている。

メインストリートを離れて目指すのは丘の上に見える白いゴンパ。
 
説法帰りの人々も歩いているが、それ以上に車が砂塵を巻き上げながらどんどん通るし、日陰もないので結構大変。

 
途中にはチョルテンがあって、中を覗くと天井にちゃんと曼荼羅が描かれている。

30分ほどかかってピピティン村に到着、丘の上のゴンパに上がる。
 
ここは屋根の上にチョルテンが乗ったおもしろいお寺だが、お堂の扉には鍵が掛かっていて、やはりお参りに来たらしいお坊さんたちも誰か来てくれないかと待っている。

するとどこからか見ていたのか、この村出身の我々のドライバーの一人がやってきて鍵を取って来てくれると言う。
そこで鍵を待つ間、チョルテンの立つ屋根に上ると
  
遠くに先ほどまでいたダライラマの説法会場が見える。

丘のふもとに広がるのはピピティン村。
 
右の写真は12年前に同じところから撮ったものだが、この村も少し家が増えているのがわかる。
前回はこの村のどこかに泊まった、とこの写真を見て思い出した。

やがてドライバーが鍵を持って来てくれて
 
小さなお堂の中の十一面千手観音様にお参り。

またテクテクとパドゥムの中心まで戻ると
 
メインストリートは一層の人出。

ちなみに12年前はこんな様子。
 
店は明らかに増えたが、道路の状況は変わらない。

シャワーを浴びてさっぱりしたら、夕食もホテルのレストランで。
 
フライドポテトが大人気で
 
野菜たっぷりのおかずはヘルシー。

 壁にダライラマと、左はサキャ派の大僧正、右はカルマパだろうか、3人のサイン入り写真を見つけて、もしや本物?と思ったらコピーだって。なあんだ。


 ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。 
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

クルド家庭料理@十条「メソポタミア」

2018-09-01 18:29:29 | 食べ歩き
自由人になられてから旅行三昧のkimcafeさんが一時帰国中。

御自ら幹事となって集合をかけてくださった、その会場が十条という、東京在住ながらいまだかつて降り立ったことのない所。
しかも「クルド家庭料理」とは、日本で唯一ではないだろうか。

場所はJRの線路脇、十条駅南口改札を出たらすぐ目の前。
  「メソポタミア」
踏切から見上げるとなぜか看板が2つのビルの双方に出ているが、1階の入り口を入るとすぐに急階段が3階まで伸びている。

手すりを頼りに上まで上がり、店に入って看板の理由を納得。
 入って右手には大きなガラスケースのあるソファ席。
 
左手にはテーブル席と厨房があって、途中に変な段があるのは2つのビルをぶち抜いてつなげたらしい。

壁にかかっているのはクルディスタンの旗。と言っても独立国ではなく、イラク国内の自治地域の旗だが
 
メニューの表紙にもある通り、クルド人はトルコ、シリア、イラクからイランまでの地域にまたがって存在し、自分たちの国を作りたい気満々なのでどの国でも紛争が絶えない。
この店内にはクルド語辞典まであって当然独立支持派だろうが、元々国家などと言う概念のないエリアの遊牧民だから前途は多難そう。

なんてことはともかく、テーブルに着くとまずはお水がやって来て、アルコールもOKのドリンクメニューからヨーグルト・ドリンクをお願いすると
 こんな素敵なカップでやってきた。

本日のメンバー総勢6名が揃ったところで単品メニューからめぼしいものを注文させてもらうと
 
まずはオクラの煮物とインゲンの煮物。どちらもトマト煮だが、看板に「クルド家庭料理」とある通り、いかにも家庭的な優しい味付けで飽きない味。
 こちらは「ムサカ」。と言ってもギリシャのように挽肉やベシャメルソースは使わないナスとピーマン、トマトの煮込みで、ほんのちょっと唐辛子のピリ辛も感じられる。レバノン料理のムタバルのように冷たいのかと思ったら温かいのが意外。
 ケチャップライスのように見えるこれは「キューリとトマトのクスクスピラフ」という説明で「クスル」と言うそうだが、こちらは冷たくてトマト味のライスサラダみたい。クスクスの食感が独特で、さっぱり味が今の時期にピッタリ。

そしてメインディッシュはケバブ。
  
薄焼きナンの下に羊と鶏、あとは羊の内臓かな、4本の串が隠れていて、串はこうやってはずすのよ、とクルド人のお母さんが実演してくれた。この適度に肉汁のついたナンでケバブをつまんで食べると、スパイスの加減もよくてうまーい。
 挽肉のケバブはちょっとピリ辛。ピーマン、トマトの下に敷かれたスマックであえた玉ねぎがおいしくていくらでも食べられる。

トルコ南部、ガジアンテップ出身というクルド人お母さんの料理はどこがトルコ料理と違うのかわからないが、どれも味付けがちょうどよくてとてもおいしくて大満足。

食後にデザートの「レワニ」なるものを頼んだら
 これは中東らしく激甘。

飲み物は素敵なカップで登場したこちら。
 
蓋つきのデミタスカップはかわいいけど、銀製なので蓋も取っ手もすごく熱いのが玉にキズ。
中に入っているのはなんとピスタチオ豆を炒ったコーヒー。
ピスタチオの産地であるトルコ南部で商品にならない豆の利用法として生まれたものだそうだが、飲んでみると香りのあまりないコーヒーという感じでピスタチオの風味は感じない。
すごくおいしいというわけではないが、これはちょっと他では飲めないだろう。

と言うわけでおいしい料理と共にkimcafeさんの鯨漁体験などの話で盛り上がった会。
他のメンバーのスリランカやカンボジア、スペインの話もまだ聞きたかったし、kimcafeさん、また集合をお願いします。
「メソポタミア」では予約すればうさぎの丸焼きや羊の頭の丸焼きも食べられるそうですよ。


 ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする