文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
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書評:ホーンテッドキャンパス 死者の花嫁

2013-11-07 06:56:36 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)
ホーンテッド・キャンパス 死者の花嫁 (角川ホラー文庫)
クリエーター情報なし
角川書店


 櫛木理宇による青春ホラーシリーズ「ホーンテッド・キャンパス」シリーズの第4弾となる「死者の花嫁」。雪越大という、いかにも雪国にありそうな仮想の大学のオカルト研究会の面々が、怪奇な事件を解決していくというものだ。連作短編集であり、一つ一つの話は、それぞれ違った怪奇事件を扱ったものであるが、全体では、オカルト研究会のメンバーである八神森司と灘こよみとのラブコメ風な物語を構成している。

 今回収録されているのは、以下の5篇。

・さいなむ記憶
 図書館で森司が、何かが憑いているとオカルト研につれてきた、教育学部の中溝は、黒ミサで同じ大学の学生が殺される現場を目撃したという。

・追想へつづく川のほとり
 オカルト研部長の黒沼麟太郎とその従弟のオカルト研メンバー・黒沼泉水の少年時代の物語。彼らの田舎には、すさまじい嫁いびりの歴史があった。嫁が逃げないように、携帯も解約させられ、独身時代の貯金通帳も取り上げ、牛馬のように働かせていた「藤のばばあ」の悪行と報い。

・ファイアーワークス
 イベントサークルを主宰している教育学部の石黒は、人体発火現象に悩まされていた。石黒のあまりにも独善的でKYな性格が招いた悲劇。

・うつろな来訪者
 黒沼家の別邸で、オカルト研の夏合宿。肝試しで訪れた墓で出会った男には、何かが両肩にしがみついていた。彼は自分の墓を探しているという。

・死者の花嫁
 森司は、こよみの家に初訪問。こよみとはまったく似ていない両親。彼女は、実は父方の大叔母と瓜二つだった。その大叔母の悲劇。

 ところで、本作のヒロイン灘こよみだが、性格もひかえめで優しい美少女なのだが、いつも眉間にしわがよった険しい顔をしている。実は、これ極度の近視で乱視のためらしいのだが、「いや、メガネかけるかコンタクト入れろよ」と思ってしまうのは私だけだろうか。「追想へつづく川のほとり」では、子供時代のこよみが登場するが、近所に出没する変質者対策で、なんと男の格好をさせれていたようだ。しかし、変質者だったら、美少年の方が却ってアブナイという可能性もあるのでは・・・。

 森司は、こよみの両親に気に入られたようで、暇を持て余しているこよみの父親から、簿記の個人指導を受けることになってしまった。森司くん、もしかして春は近い。がんばれ森司(笑)。

☆☆☆☆

※本記事は、「本の宇宙」と共通掲載です。
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因幡薬師(京のぶらぶら歩き30)

2013-11-07 06:13:36 | 旅行:京都府


 ここは、真言宗智山派の平等寺。通称因幡薬師だ。因幡といえば、今の鳥取県だが、なぜ京都に因幡の名のついた寺があるのかと不思議に思って調べてみた。

 なんでも、因幡国司だった橘行平という人が、人気を終えて帰る途中、病になったが、夢のお告げに従って、海から引き揚げた仏像を祀った事から始まったらしい。引き上げたのが、因幡国の賀露津の浦というところだということだから、現在の賀露港当たりだろうか。賀露港は、松葉ガニの水揚げで有名な港だ。面白いことに、この仏像、行平がなかなか因幡の国まで迎えに来なかったので、空を飛んで京都までやってきたという言い伝えがある。

 訪れた時には改修工事中だったのは残念。

花咲稲荷社(京のぶらぶら歩き29)

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