私は、文系、理系の両方面に渡り、90以上の資格試験に合格してきた。最近は、興味の対象が他のものにシフトしているので、試験へのチャレンジは少々停滞気味だが、きりの良いところで、なんとか生涯100資格までは取りたいと思っている。
東京や大阪などの大都市だと、それこそ有象無象のなんだか訳の分からないような検定試験がたくさん存在しているので、合格数を増やす事は比較的簡単である。しかし、私の住んでいるような地方都市で受験できるような試験というのは、国家試験か、民間資格でも、業界団体が実施しているなど、ある程度の権威が一般に認知されているようなところに限られてくる。合格した試験の数だけを見ればもっと多い人もいるが、地方都市在住という条件を入れれば、この数は誇っても良いと思っている。
このように書くと、のべつ幕無しに勉強していると思われるかもしれないが、そんな訳はない。サラリーマンなので、仕事はきちんとやらないといけないし、最近はずっと読書に嵌っているので、暇さえあれば、何かの本を読んでいる。それも資格試験とはまったく関係のないものだ。
それでは、どうしてこれだけの試験に合格できたのだろう。思うに、やはり勉強法によるところが大きいのだろうと思う。元々飽きっぽいので、長期間同じようなことばかりをしているというのが耐えられない性格なので、試験勉強は、短期間に効率的に済ますようにしている。もちろん最初からそんな勉強法を行っていた訳ではなく、受験を続けていくうちに自然に身についてきたものだ。この方法尾は、2006年に解説した、自己啓発関係の記事を掲載している私のブログ・「文理両道」にも公開している。
ところで、この度縁あって
「なるほど!合格勉強術」(宇都出雅巳:実務教育出版)を
「本が好き!」を通じて献本いただいた。読んでみると、大筋においては、私がやってきたことと同じであり、確かに書かれている方法を実行していけば、大抵の試験は合格できるだろうと思う。ただ、中にはその人の好みに関わるようなところもあるので、読者はある程度自分にあった部分をピックアップして実行すればよいだろう。決して一から十までを書かれている通りにする必要はないのだ。
本書には、満点を狙う必要はないとか、過去問を活用しろといったような、試験勉強を効率的に行うために大切なことが多く書かれているが、その中でも一番大切なことは、「くり返し」であると思う。問題集でも、テキストでも、とにかく同じものを何度も繰り返すのだ。その際、無理に覚えようとしなくてもよい。理解できないところで考え込む必要もない。私はこれをずっとやってきたし、著者も、「高速大量回転法」と名付けた方法で、「くり返し」を実行しているようだ。
分からないということの大きな要因には、その言葉や概念自体になじみがないとか、その方面の全般的な知識が不足しているといったようなことが大きい。しかし、何度もくり返して学習していると、知らず知らずうちに、少しずつその方面になじんできて、知識が頭にインプットされてしまうものだ。
そして、最後にもう一つ大切なことを教えよう。それは、一度こう決めたら、愚直にその勉強法を実行していくことである。確かに本書には、勉強の方法論として役立つことが多く書かれている。ただ、著者も、
<勉強法をいくら勉強しても合格しません>(p228)と書いているように、いくら勉強法を研究しても、それだけでは試験には合格はできないのは当然のことだ。これから何かの試験を受けようと考えているが勉強法に悩んでいるような人は、ぜひ本書を一読したうえで、後はひたすら目指す試験自体の勉強に励んでもらいたい。
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○参考
・
私の合格した資格試験一覧(サラリーマン免許試験合格数日本一[暫定])
・
カテゴリー「資格の取り方」
※本記事は、
「本の宇宙」と同時掲載です。