「あなたは母親を大切にするのよ。
母親を愛しなさい」
わたしの長女は、彼女の幼い長男Aを抱っこしてそう語りかけていた。
彼はまだ乳児の時だったので、言葉の意味は通じていないと思う。
わたしは、おもしろいことを言って聞かせているなあと、興味深く見ていた。
わたしは、そんなことは子供には全く期待していなかった。
ただただ安全に事故のないよう、目の前の日課をこなしていくのに精一杯だったように思う。
その長男Aは今では小学2年生。
まあ母親にキツく怒られている。
みっちり管理されている。
わたしは、この孫Aが一番好きなのだが、長女に「おかあさんはAに甘すぎる」とお叱りを受ける。
いや、そうでもない。
母親がキツイからちょっとかわいそうになる部分もある。
それと、この孫A、「こんな大人、いるよなー」の典型のようで味がある。
トランプなどのゲームではズルをする。
(負けず嫌いの露見方法が悪い)
食べ物は1ミリでも大きい多い方をいち早く取る。
怖がり。
遊びの中で、誰がどう見ても弟Bに理不尽な要求を突きつける。
弟に口でダメなら手が出ることもある。
1歳7ヶ月年下の弟Bは、これまた不甲斐ない。
嫌なら意思を示せばいいのに、ビービー泣きわめくだけ。
目で訴えて大人に助けを求めてくる。
母親はこの弟Bが好きのようで、いつも庇っていたり、点数が甘い。
わたしの好みとは逆だ。
わたしは、この弟Bを見ているとイライラする。
反逆しろ!
叩き返せ!
踏み返せ!
頭突きしろ!
そう思うが、泣きわめくだけ。
身体もだんだん兄弟間でそれほど大きさも違わなくなってきているのだから、一方的に負けることはないと思うので、反逆してもよさそうなもの。
弟Bは優しいのだが、弱い。
しかも、へんに気難しい面があり、こじれると超めんどくさくて、わたしの神経に障る。
好き嫌いは相性なのだろうか。
だが、兄Aはあんな風だと外で友達と仲良く遊べないのではないかと心配する。
しかし、頭隠して尻隠さずの兄の悪事の数々は、知恵がなくて単純で、じつにおもしろい。
大人になると、内面は悪いヤツでもカモフラージュしたり作戦を立てたり、なんらかの策を練る。
だが今はまだ、そのままストレートに姑息な面が丸出しなところが、わたしの目には可愛く映る。
ただ、あのまま大人になって、「子供の時からそうだったよね」なんて言われかねない。
兄A=ねじれ曲がっていない、純真なワル。
弟B=ねじ曲がった、純粋な善人。
どっちもどっちか。
ちなみにわたしは、ねじ曲がったワル。
オーマイゴッド、、、
弟Bは成長して戦略で兄に勝って欲しい。
兄Aも成長して、負けたらそれを克服してほしい。
年齢が近い同性の兄弟は何かと目の上のタンコブなんだろうなあ、、、
これに気のキツイ、アタマがよく回る妹Cがいる。
これにさらにもう一人加わるとどうなるのか、、、
「お孫さん、可愛いでしょうねえ」
と言われるが、可愛いことには違いないが、ややこしい。
巻き込まれると頭から湯気が出る。
長女も時々、鬼のようになっているが、みんな喉元過ぎれば熱さ忘れる。
自分もそうだったように。
衝撃的なことや自分に都合のいいことしか覚えていない。
と、ここで、蛇足。
全く話の次元はころっと変わる。
認知症ケアはその点、報われないと感じる。
認知症の当人は、悪い感情しか残らないそうだ。
脳は正常に働くとは限らず、意のままに制御出来ない。
が、正常人は無意識でコントロールされているのだろう。
自分の記憶や感情も、客観的事実と照らし合わせて整合性をチェックすると、正確な時もあるし、メチャクチャな時もあり、あてにならない。
あんまり突っ込んで追求しても、意味があるような、ないような。
おヒマならどうぞ、というかんじか。
理屈や理詰めでは解決できないことがいっぱいある。
科学の力に頼り過ぎても、良いとは限らない。
何が何でも、、、なんてことは、徒労に終わることがある。
が、そういうことが好きな人は、一生、徒労を享受するのだろう。
それはそれで、その人にとっては満ち足りた一生だ。
で、またまた話が元に戻る。
うんざりされた方はお見捨てください。
孫Aは中学からは私立学校向けかなあと、なんとなくぼんやり思う。
孫Cは、公立学校かな、と。
孫Bは経過観察というところか。
色々条件もあり、選択肢はあるようで、ないようで、あるようで、、、
子供の教育は難しい。