雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

七月ばかりに風いたう吹きて

2015-01-13 11:00:03 | 『枕草子』 清少納言さまからの贈り物
          枕草子 第四十一段  七月ばかりに風いたう吹きて

七月ばかりに、風いたう吹きて、雨など騒がしき日、おほかたいと涼しければ、扇もうち忘れたるに、汗の香すこしかかへたる綿衣の薄きを、いとよくひき着て、昼寝したるこそ、をかしけれ。

七月頃のこと、風がひどく吹いて、雨の音も騒がしい日、大体はたいへん涼しいので、扇を使うのも忘れていて、このところ使っていて汗の匂いが少し残っている綿入れの薄いものを、上の方まですっぽりときて、昼寝しているのは結構なものですよ。



この章段の言葉そのものは比較的やさしく、そのまま読むだけで大体の意味が分かります。
ただ、少納言さまが何を伝えようとされているのが今一つはっきりしません。
少し涼しくなり、激しい風雨の日に、昼寝するのはいいものですよ、極楽極楽・・・、といった程度と受け取ったのですが、これで正しいのでしょうか。
コメント
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