枕草子 第二十九段 びろうげは
檳榔毛は、のどかにやりたる。急ぎたるは、わるく見ゆ。
網代は、走らせたる。
(以下割愛)
びろうの葉で飾った立派な牛車は、ゆっくりと進ませているのがいい。急いで走らせているのは、見劣りしてしまいます。
網代の実用本位の牛車は、走らせているのが似つかわしい。
人の家の門の前などを通って行くのを、ふと目をやる間もなく通り過ぎて、供の人だけがあとから走っているのを、今の車の主は誰かしらと思うのは、なかなかおもしろいものです。
網代の車がゆっくりと時間をかけて通って行くのは、あまりよろしくありませんねぇ。
高級車は、ゆったりと走らせるのがよろしいと、少納言さまは千年前に申されています。これ、現在にも通じると思いませんか。
せっかくの高級車を、タイヤをきしませて走らせているは、全く見苦しいですものね。
檳榔毛は、のどかにやりたる。急ぎたるは、わるく見ゆ。
網代は、走らせたる。
(以下割愛)
びろうの葉で飾った立派な牛車は、ゆっくりと進ませているのがいい。急いで走らせているのは、見劣りしてしまいます。
網代の実用本位の牛車は、走らせているのが似つかわしい。
人の家の門の前などを通って行くのを、ふと目をやる間もなく通り過ぎて、供の人だけがあとから走っているのを、今の車の主は誰かしらと思うのは、なかなかおもしろいものです。
網代の車がゆっくりと時間をかけて通って行くのは、あまりよろしくありませんねぇ。
高級車は、ゆったりと走らせるのがよろしいと、少納言さまは千年前に申されています。これ、現在にも通じると思いませんか。
せっかくの高級車を、タイヤをきしませて走らせているは、全く見苦しいですものね。