雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

哀れなり蓑虫   

2015-01-14 11:00:40 | 『枕草子』 清少納言さまからの贈り物
          枕草子   ちょっと一息

哀れなり蓑虫

第四十段「虫は・・・」の中に蓑虫が取り上げられています。

蓑虫は鬼の子で、粗末な着物を着せられて捨てられたというのです。その時親は、秋風が吹く頃には迎えに来るからと嘘を言って去っていってしまったのです。
嘘とも知らない子供は、秋風を感じる頃になると「ちちよ、ちちよ」と、親を求めて泣くというのです・・・。

『枕草子』の楽しみ方はいろいろありますでしょう。
学問として研究されるのはもちろん素晴らしいことですが、私のような素人でも、辞書と何冊かの参考書の助けを受ければ、楽しい部分がたくさんあります。
その中の一つとして、今回紹介させていただいた蓑虫に関するような、当時の伝承や、風習や、古歌などからの引用などに基づいて、一編の物語を見るような挿話が、随所に登場してきます。そういった話を探すだけでも、清少納言の魅力を十分に感じ取れるのではないでしょうか。
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