熱戦を展開してきた夏の高校野球(第101回全国高校野球選手権大会)は、いよいよ本日が決勝戦となります。
各都道府県から選ばれるということもあって、この季節になると、突然のように郷土愛に目覚める人も少なくないようですが、決勝に残った二チームは共に前評判が高かっただけに、順調な決勝進出ともいえ、好試合が期待されます。
夏の甲子園は、当然のことながら夏の真っ盛りに開催されますから、選手たちは真っ黒に日焼けし、猛暑の中で灼熱の太陽に立ち向かうように熱戦を繰り広げる・・・、というイメージが強調されてきたように思うのですが、ここ数年、少しずつ様子が変わってきているような気がします。
今回の大会においても、数年前とは違う変化がいくつか見られました。
まず、開会式の途中で水分補給するプログラムが設けられていました。正直、「いかにも」といった感じもしましたが、この夏の凄まじいばかりの暑さと、熱中症で救急搬送された人の多さを考えますと、選手たちの健康のためもさることながら、全国に向けたメッセージになったようにも思われます。
また、複数の投手でつなぐ試合や、エースを温存させる試合も数多く見られました。休養日を設定させるなど選手の健康面に配慮する対策が様々に進められているようです。
この大会では、タイブレークも実現しました。これはこれで面白いと思うのですが、「あんなものは野球ではない」というご高説を述べられる人もいるようです。延長戦が何回まで続こうが、エースと呼ばれるほどの選手であれば、歯を食いしばって腕が折れるまで投げ続けるのが野球というスポーツだというのです。ご高説を述べている方が、どの程度野球に明るいのか知りませんし、いちいち向きになるほどのこともないのでしょうが、もし、そこそこ野球に明るい人と思われている人だとすれば、少々腹立たしくなってしまいます。
どんなスポーツでもそうですが、野球も同様で、誕生した時から、用具もルールもどんどん変化してきて今日の姿になったのであり、しかも、今が完成形というわけではなく、これからもなお変化していくのが当然ではないでしょうか。
そう言えば、この夏の大会の地方予選において、話題の投手を要するチームが、決勝戦においてその投手に投げさせないで敗れてしまった試合がありました。この事に関して、選手の健康面や、チーム競技で個人の健康だけに重視しすぎたのではないかとか、そもそも戦略に問題があったなど、多くの話題を提供したようです。
中には、かつて著名であった選手が、選手を甘やかしてはならないといった発言があり、腕が折れるまで投げろ的な発言があったようです。
今さら、そのような発言に影響を受けるスポーツ指導者は多くはないでしょうが、どの世界でも老害的な人物が先輩風を吹かせる姿は無くならないものですが、少なくとも、成長過程にある青少年のスポーツ指導に当たる人に対する、しっかりとした教育体制を確立してほしいものです。
( 2019.08.22 )
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