宮仕へ所は内裏 ( 流布本のうちの一本二十四 ・ 二十五 )
( 一本二十四 )
宮仕へ所は、
内裏(ウチ)。
后(キサイ)の宮。
その御腹の「一品(イッポン・親王、内親王に授けられる位階の最上位)の宮」など申したる。
斎院。罪深かなれど、をかし。まいて、世の所は。
また、春宮(トウグウ)の女御の御方。
( 一本二十五 )
荒れたる家の、蓬深く、葎(ムグラ・雑草の一種、ヤエムグラ)はひたる庭に、月の隈なく明かく、澄み昇りて見ゆる。
また、さやうの荒れたる板間より洩り来る月。荒うはあらぬ風の音。
池あるところの、五月長雨の頃こそ、いとあはれなれ。菖蒲・菰など生ひ凝りて、水も緑なるに、庭も一つ色に見えわたりて、曇りたる空をつくづくと眺め暮したるは、いみじうこそあはれなれ。
いつも、すべて、池あるところは、あはれにをかし。冬も、氷したる朝(アシタ)などは、いふべきにもあらず。わざとつくろひたるよりも、うち捨てて、水草がちに荒れ青みたる、絶え間絶え間より、月影ばかりは、白々と映りて見えたるなどよ。
すべて、月影は、いかなるところにても、あはれなり。
(一本二十四)
宮仕えするのにすばらしい所として列記していますが、いずれも少納言さまゆかりの人たちを意識しているようです。
内裏は、一条天皇。 后の宮は、皇后定子。 一品の宮は、定子の娘・修子内親王。
斎院は、選子内親王で清少納言はとても敬意を持っていました。なお、罪深いというのは、神社は仏事を忌避していたからでしょう。「世の所は」は諸説ありますが、「現在の斎院は(すばらしい)」と読み取りました。
春宮の女御は、淑景舎。
(一本二十五)
「わざとつくろひたるよりも、うち捨てて・・」とあるように、前段の宮仕え所もよいが、こういう邸もよい、という意味でしょうが、どうやら、少納言さまの邸らしいです。
( 一本二十四 )
宮仕へ所は、
内裏(ウチ)。
后(キサイ)の宮。
その御腹の「一品(イッポン・親王、内親王に授けられる位階の最上位)の宮」など申したる。
斎院。罪深かなれど、をかし。まいて、世の所は。
また、春宮(トウグウ)の女御の御方。
( 一本二十五 )
荒れたる家の、蓬深く、葎(ムグラ・雑草の一種、ヤエムグラ)はひたる庭に、月の隈なく明かく、澄み昇りて見ゆる。
また、さやうの荒れたる板間より洩り来る月。荒うはあらぬ風の音。
池あるところの、五月長雨の頃こそ、いとあはれなれ。菖蒲・菰など生ひ凝りて、水も緑なるに、庭も一つ色に見えわたりて、曇りたる空をつくづくと眺め暮したるは、いみじうこそあはれなれ。
いつも、すべて、池あるところは、あはれにをかし。冬も、氷したる朝(アシタ)などは、いふべきにもあらず。わざとつくろひたるよりも、うち捨てて、水草がちに荒れ青みたる、絶え間絶え間より、月影ばかりは、白々と映りて見えたるなどよ。
すべて、月影は、いかなるところにても、あはれなり。
(一本二十四)
宮仕えするのにすばらしい所として列記していますが、いずれも少納言さまゆかりの人たちを意識しているようです。
内裏は、一条天皇。 后の宮は、皇后定子。 一品の宮は、定子の娘・修子内親王。
斎院は、選子内親王で清少納言はとても敬意を持っていました。なお、罪深いというのは、神社は仏事を忌避していたからでしょう。「世の所は」は諸説ありますが、「現在の斎院は(すばらしい)」と読み取りました。
春宮の女御は、淑景舎。
(一本二十五)
「わざとつくろひたるよりも、うち捨てて・・」とあるように、前段の宮仕え所もよいが、こういう邸もよい、という意味でしょうが、どうやら、少納言さまの邸らしいです。
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