『 望月の宴 』 ご案内
平安時代とは、諸説はありますが、都が平安京に移された西暦 794年(延暦13年)から1183年(寿永二年 ・源頼朝が東国支配権の承認を得た年で、諸説の中で平安時代の終りが最も早い説。)までの、およそ390年間を指します。
その期間は、江戸時代の265年間を遥かに上回り、飛鳥時代以降の時代区分では最長の期間を占めています。
天皇の御代でいえば、第五十代桓武天皇から第八十一代安徳天皇の御代(他の説では後鳥羽天皇の御代)ということになります。
さらに大きな時代区分で見た場合には、古代から中世へと移行した時期にあたり、貴族政治から武家の台頭という現象は、天皇親政をも絡んだ激しい時代でもありました。
その一方で、平安王朝文化と称されるように、貴族階層を中心に文化の興隆が見られ、文学面では、宮廷女房を中心とした女流文学が花開いた時代でもありました。
皇族とのスキャンダルが注目されがちですが、和歌の第一人者ともいえる和泉式部、「枕草子」の清少納言、「源氏物語」の紫式部などは、現在でも高い評価を受けています。
『栄花物語』もその一部がこの時代に完成したとされる名作です。「歴史物語」というジャンルの嚆矢(コウシ)ともされるこの作品は、全40巻に及ぶ大作ですが、その中の30巻は、この時代を代表する女流文学者の一人である赤染衛門によるというのは、ほぼ定説になっています。
本作品『 望月の宴(モチヅキノウタゲ)』は、栄花物語の中から、藤原道長に関する部分を中心に、ほぼそのままを頂戴して、道長という英雄の生涯の一端を描こうと企画したものです。
栄花物語の多くの部分をそのまま頂戴してはおりますが、決して、正しい現代訳や研究を目的としたものではありませんので、一つの作品としてご覧いただければ幸甚です。
☆ ☆ ☆
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます