結局作品は海口庵の床下を使った。
3.11から3月いっぱいの新聞記事には”亡くなる”とか”津波”とか”放射線”の字がちりばめられていた。
新聞紙を巻き竹の皮で包んだ木にはところどころに被災を連想させる字を出した。
竹の皮を包る木はカーブしたのや二股を選んだ。
新聞紙で包んで植物の繊維でしばっただけのものは床下の奥の部分へ置いた。
遺体やガレキをイメージした。
100年以上雨風にほとんど触れていない床下の土は雨続きでしっとりしていたがフカフカだった。
軒下の少し日が当たる部分では植物が芽吹いていた。
3.11から3月いっぱいの新聞記事では再生を意味する言葉も書かれている。
芽吹いた植物を囲む石の一個に”立ち上がろう”の字が出るように新聞紙で包んでアカソの繊維でしばった。
題は”これから”にした。
(写真はクリックすると大きくなります)