「作文が一行も書けないようです」と相談を受けていたもうすぐ2年生になるAくんとBくん。
どちらも想像力が極端に弱い凹凸のある子たちです。
「何を書けばいいのか、さっぱり思いつかない」という話でした。
そこで、A5サイズの小さな紙をたっぷり用意。
その日の活動(工作やゲーム)を通して、作文の練習をすることにしました。
作文練習の仕方はこんな具合です。
Aくんは、工作をしたがりました。牛乳パックを切ってライオンを作ろうとしています。
わたしは、A5の紙に赤で「したこと」と書きました。
「ここには、したことを書くのよ。今何してる?」とたずねると、
「牛乳パックで、ライオンを作ってる」と言いました。
「Aくん、それなら、したことの紙に、やったことを書いてね」と言うと、
「ぎゅうにゅうのはこで、らいおんをつくりました」と書いていました。
そして、Bくんに向かって、「Bくんは、今、何を見てる?」とたずねると、
「Aくんが、工作してるの見た」と答えたので、
別の紙に「見たこと」と赤で書いて、「自分の目で見たことがあったら書いてね」と言いました。
それから別の紙に「聞いたこと」と書きました。
Bくんは、自分の目で見たことを書いてから、「ぼくは工作したくないよ」と言いました。
そこで、別の紙に「思ったこと」と書いて、「ここに思ったことを書いてね。工作したくないって心で思ったら、
ここに書いたらいいよ」というと、いつもいろいろと不満の多いBくんが、
思ったことの紙をいくつも作って、書いていました。
「気持ち 感じたこと」も書きました。
そこで、「りゆう」と書いた紙も作って、「どうして、工作がしたくないの?理由を教えて。
別の遊びがしたいからとか、今日は工作をする気分じゃないからとか、理由はいろいろあるよね」と言うと、
「今日はね、おなかがすいているんだよ。だから、工作をする気分じゃない」と言いました。
「それなら、そう書いてね」と言うと、Bくんは、何枚も何枚も思ったことや理由を書いてから、
「ぼくは、もうこれから作文が簡単になっちゃった」と言いました。
すると、Aくんが、「ぼくBくんの弟のCくんのこと書いてもいいかな?」とたずねました。
「もちろんよ。どんな名前か。どんな子か。どんなことをするのか、書いてね」というと、
「ぼくも弟のこと書きたい」とBくんが言いました。
「真似しだ」とAくんが文句を言い、「ぼくの弟だから」とBくんが怒りました。
その後、AくんとBくんといっしょに「もしも」の作文を書きました。
上の写真は、「もしもタイムマシーンにのってうみのなかにもぐってさめのうえにのったら」と書こうとしている
Aくんの作文です。