虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

作文が一行も書けない想像力に困難を持つ子たちと

2018-04-06 22:00:17 | 国語

「作文が一行も書けないようです」と相談を受けていたもうすぐ2年生になるAくんとBくん。

どちらも想像力が極端に弱い凹凸のある子たちです。

「何を書けばいいのか、さっぱり思いつかない」という話でした。

 

そこで、A5サイズの小さな紙をたっぷり用意。

その日の活動(工作やゲーム)を通して、作文の練習をすることにしました。

作文練習の仕方はこんな具合です。

 

Aくんは、工作をしたがりました。牛乳パックを切ってライオンを作ろうとしています。

わたしは、A5の紙に赤で「したこと」と書きました。

「ここには、したことを書くのよ。今何してる?」とたずねると、

「牛乳パックで、ライオンを作ってる」と言いました。

「Aくん、それなら、したことの紙に、やったことを書いてね」と言うと、

「ぎゅうにゅうのはこで、らいおんをつくりました」と書いていました。

 

そして、Bくんに向かって、「Bくんは、今、何を見てる?」とたずねると、

「Aくんが、工作してるの見た」と答えたので、

別の紙に「見たこと」と赤で書いて、「自分の目で見たことがあったら書いてね」と言いました。

それから別の紙に「聞いたこと」と書きました。

Bくんは、自分の目で見たことを書いてから、「ぼくは工作したくないよ」と言いました。

そこで、別の紙に「思ったこと」と書いて、「ここに思ったことを書いてね。工作したくないって心で思ったら、

ここに書いたらいいよ」というと、いつもいろいろと不満の多いBくんが、

思ったことの紙をいくつも作って、書いていました。

「気持ち 感じたこと」も書きました。

そこで、「りゆう」と書いた紙も作って、「どうして、工作がしたくないの?理由を教えて。

別の遊びがしたいからとか、今日は工作をする気分じゃないからとか、理由はいろいろあるよね」と言うと、

「今日はね、おなかがすいているんだよ。だから、工作をする気分じゃない」と言いました。

「それなら、そう書いてね」と言うと、Bくんは、何枚も何枚も思ったことや理由を書いてから、

「ぼくは、もうこれから作文が簡単になっちゃった」と言いました。

すると、Aくんが、「ぼくBくんの弟のCくんのこと書いてもいいかな?」とたずねました。

「もちろんよ。どんな名前か。どんな子か。どんなことをするのか、書いてね」というと、

「ぼくも弟のこと書きたい」とBくんが言いました。

「真似しだ」とAくんが文句を言い、「ぼくの弟だから」とBくんが怒りました。

その後、AくんとBくんといっしょに「もしも」の作文を書きました。

上の写真は、「もしもタイムマシーンにのってうみのなかにもぐってさめのうえにのったら」と書こうとしている

Aくんの作文です。

 


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