虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

数の敏感期♪と文化の敏感期♪

2009-03-13 23:33:59 | 教育論 読者の方からのQ&A

☆ホッペとマユの福笑いで、年少さんのホッペちゃんの数の敏感期の様子が
記事にされています。

幼児期には、子どもが内側からの欲求で
数が好きでたまらなくなる数の敏感期が存在します。
大人が子どもを信じて
ゆったりと無駄な時間…
子どもがぼんやりと想像の世界や思考の世界で
遊ぶことを許してあげていたら、
子どもは自分で数のルールを発見していきます。

また、幼児期の後半には文化の敏感期というものが
あり、宇宙のこと、自然のこと、世界のことなど
さまざまな身の回りの不思議や知識に強く惹きつけられる時期が
存在します。

このふたつの時期はとても不思議です。

虹色教室には、写真のような科学の本や図鑑類や学習漫画をたくさん置いています。それが、小学生になってから虹色教室に通っている子は
そうした本を読もうとすることはまずありません。
とても成績が良い子でもそうなのです。
でも幼児期のこうした敏感期を大切にしてあげてきた子たちは
小学生になっても
知識の本を借りたがり、休憩時間には図鑑を読みふけります。

この敏感期、良い早期教育によっては大きく花開き
まずい早期教育によっては壊されてしまうように思います。

良い早期教育というのは、
子どもの好奇心に沿う大人からの期待を押し付けない教育です。

まずい早期教育とは、
なぞなぞの答えを教えていってたくさんなぞなぞが出来る子にしようと
もくろむような
大人の考えを子どもに教え込む教育です。
なぞなぞの答えをたくさん教えると
他の子よりたくさんなぞなぞができるようになるように
思えますが、子どもは発想を転換させ、イメージをふくらませ
自力で解くといった体験を失います。
足し算も暗記させて解かせるようなことを繰り返すと
数の敏感期に自分で算数のルールを発見する力を失います。

またしばしば早期教育は文化の敏感期をなくさせてしまいます。
どうしてそんなことが起こるのでしょう?

お年よりは人生経験が豊富でも
算数の文章題や科学の問題を「そんなのできないわ」と言いますね。
すでにある知識が、純粋に自分で考える意欲を
奪ってしまうこともあるのです。
子どもの学習への興味が
褒められることや大人を喜ばせることに占領されるときも
文化の敏感期はなくなるようです。

子どもは知らないから、不思議だから、
自分の身の回りの謎に惹きつけられます。
早い時期に、世界を大人の学習法でしらけた面白みのないものに
汚してしまってはいけません。
子どもは実際、見たり味わったり触ったり聞いたりしたものを
もっと知りたい、よく考えたい
という子ども独特の心のあり方を持っています。


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
なるほど (ぽんき茶)
2009-03-14 00:23:29
『子どもの好奇心に沿う大人からの期待を押し付けない教育』←分かってはいても、ついつい・・・私の場合、まずい教育に陥り易そうなので、このスローガンを部屋にでかでかと貼っておこうかしら。
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Unknown (タイママ)
2009-03-14 08:10:37
こんにちは。
2歳8ヶ月の男の子のママです。
最近ブログを読ませていただいてます。
過去のものも読ませていただいてますがまだまだ追いついてません。

私は今まで子供って自然に数や文字を覚えていくものだと思ってほとんど働きかけをしてこなかったんです。
こちらのブログを拝見してから遊びの中で数や文字を教えたらみるみるうちに覚えだしてびっくりしています。

数の敏感期、子供に何も働きかけないでも出てくるものなんでしょうか?やはり最初のきっかけは親が作って数字にふれさせてやると出てくるんでしょうか?
うちの場合はもう過ぎていたらどうしよう・・・と思います。レベルの低い話で恥ずかしいです・・・

コメント欄で申し訳ないのですが、親子レッスンにも是非参加させていただきたいです。
先になってもかまいませんのでよろしくお願いいたします。









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う~~ん。すごい! (ぼる)
2009-03-14 11:02:14
ホッペちゃんの数の敏感期、すばらしいです!!!

わが子も4歳。
そういえば数ヶ月前に、
お風呂で毎日数を数えてた頃がありました。
あれが敏感期だったんでしょうか???

一緒に楽しく数唱することはしましたが、
いつのまにかそれもなくなってしまいました。

親がもっと興味がわくような働きかけをしていれば・・・。

悔やまれます。。。。

敏感期って、そんなに短くないですよね。
まだまだチャンスはありますよね。

焦ると、私が押しつけがましくなって、
わが子にプイっとされてしまうので、
(わが子はこれに敏感です。。。)

さりげなく、さりげなく・・・
聞いてないようでも・・・
自然に耳に入る程度に・・・
と、自分に言い聞かせながら。

ホッペちゃんも、
数ヶ月前の遊びの効果が出てきたように書いてありましたもんね。

生活の中にあふれている、数と遊ぶチャンスに、
親である私が敏感でいたいと思いました。

その意識だけでも、きっと違ってくるんじゃないかな。
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