小手鞠るい『心の森』(金の星社)
★★☆☆☆
父の転勤のため、アメリカの小学校に
転校することになった小学6年生の響。
英語がわからず、友だちもいない状態のまま、
アメリカでの生活をスタートさせた響は、
家の裏庭に続く森で、ひとりの少女に出会う。
名前をたずねても答えない彼女は、
響に一輪の花<デイジー>を手渡す。
森の中で響は彼女・デイジーと心を通わせるが……。
**********************************
おそろしいほどに何も残らなかった……。
いつおもしろくなるんだろうと思っているうちに、
盛り上がる部分も驚きもなく、読み終わってしまった。
いったいなぜこの本が課題図書に選ばれたのか、
本当にわからない。
他に誰もいない時期ならともかく、
コミュニケ―ションが取れるようになり、
同じ年代の友だちができてなお、小学6年生の男子が
小さい女の子に固執する理由があるのか?
登場人物にリアリティがないうえに、
舞台がアメリカである必要性もあまりなかったような?
これを読んで心動かされるとしたら、それは
「デイジーが死んでしまった」という事実によってのみだと
思う。
子どもにはとってそれなりに衝撃なのかもしれないが、
それだけだよなあ……と思う。
「人は新しい環境に順応していくことができる」とか、
「言葉がなくても心を通い合わせられる」とか、
テーマをひねり出すことは可能だけど、
それも無理やりにしかできない。
わたしはテーマ性の薄い小説にもあまり抵抗がないほうだと
思うけど、これはダメだった。
★★☆☆☆
父の転勤のため、アメリカの小学校に
転校することになった小学6年生の響。
英語がわからず、友だちもいない状態のまま、
アメリカでの生活をスタートさせた響は、
家の裏庭に続く森で、ひとりの少女に出会う。
名前をたずねても答えない彼女は、
響に一輪の花<デイジー>を手渡す。
森の中で響は彼女・デイジーと心を通わせるが……。
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おそろしいほどに何も残らなかった……。
いつおもしろくなるんだろうと思っているうちに、
盛り上がる部分も驚きもなく、読み終わってしまった。
いったいなぜこの本が課題図書に選ばれたのか、
本当にわからない。
他に誰もいない時期ならともかく、
コミュニケ―ションが取れるようになり、
同じ年代の友だちができてなお、小学6年生の男子が
小さい女の子に固執する理由があるのか?
登場人物にリアリティがないうえに、
舞台がアメリカである必要性もあまりなかったような?
これを読んで心動かされるとしたら、それは
「デイジーが死んでしまった」という事実によってのみだと
思う。
子どもにはとってそれなりに衝撃なのかもしれないが、
それだけだよなあ……と思う。
「人は新しい環境に順応していくことができる」とか、
「言葉がなくても心を通い合わせられる」とか、
テーマをひねり出すことは可能だけど、
それも無理やりにしかできない。
わたしはテーマ性の薄い小説にもあまり抵抗がないほうだと
思うけど、これはダメだった。