金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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82:宗田理 『ぼくらの七日間戦争』

2012-07-23 08:48:53 | 12 本の感想
宗田理『ぼくらの七日間戦争』(角川文庫)
★★★☆☆

仕事のため十数年ぶりに再読。
映画のほうも最近みたような気がしていたのだが、
記事を見たら7年も前であった。恐ろしい。
こんな話あったっけ? という場面の連続。
映画はエピソードをピックアップして作られていたのかな。

年を重ねて初めて理解できる本というのもあるけれど、
これは子どもの時にしか純粋に楽しむことができない本じゃないかな。
「悪い大人」がかなりデフォルメされて描かれているから、
子ども視点で読むと、やっつけなきゃいけない相手なんだけど、
大人視点で読むと、どうしたって
「お前の今の生活はどうやって成り立ってると思ってるんだよ」
と思っちゃうし、児童福祉法を持ち出して、親に向かって
「だからあんたたちはおれを捨てられないぜ」
みたいなことを言う場面では、最高に腹が立った。
甘ったれんなよ!!
非常にライトな世界だから、そんなこと触れられもしないんだけど、
汚職が原因で父親が自殺したなんていうとんでもなく重い過去を
背負った男の子が、迎えに来た両親を追い返すクラスメイトたちを見て
どう思っているのかも知りたいところだ。

マドンナ先生に対して「先生の処女を守る会」が結成されていることに
時代を感じる。
この先生、昔の少年漫画のヒロインみたいよね。
そして読みながら、英治について、
「この子、いつの間にか純子じゃなくてひとみを好きってことになってたよね」
と思い出していたのだが、最初は純子より先生が好きだったのか。


コメント
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