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★★★★★
【収録作品】
「きよしこ」
「乗り換え案内」
「どんぐりのココロ」
「北風ぴゅう太」
「ゲルマ」
「交差点」
「東京」
吃音に悩む少年・白石きよしの、小学校から高校時代までを描いた
連作短編集。
解説はあさのあつこ。
言いたい言葉の先頭にうまく言えない音があるから
口をつぐんでしまう。
言える言葉に置き換えようと、代わりの言葉を必死に探す。
父の仕事の都合で転校を繰り返し、
苦手な音のある自分の名前のせいで自己紹介に緊張を強いられる……
そんな主人公が抱く苦い思いや切なさに、胸が痛む。
重松清の少年少女ものを読むと、
目をそらしたくなるような子ども時代のやるせなさを
バーンと目の前につきつけられる気がする。
「どんぐりのココロ」から「交差点」までの4篇が特に好き。
「ゲルマ」は特に、どうにもならない人間関係に
「ああ~」とうなだれたくなる。