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★★★★☆
著名なバイオリニストを母に持つ御木元玲は、
声楽を志していたものの、合格すると思い込んでいた
音大附属高校の受験に失敗し、音楽に対する意欲を失う。
音楽科のない新設女子校の普通科に進んだ玲は、
クラスメイトたちと関わろうとせずに一人で学校生活を
過ごしていたが、校内合唱コンクールの指揮者に推薦されたことを
きっかけに、玲の心とクラスメイトたちとの関係に
変化が訪れる。
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玲とそのクラスメイトたちを主人公にした連作短編集。
仕事で部分的に読んでしまったので、読みながら
「あ、ここ読んだ」
と途中で興がそがれてしまったりもしたのだけど、
それでも文章が読みやすいので
作中世界に引き込まれてしまう。
正直なところ、わたしは音楽に興味があまりなく、
音楽の力というのも実感した経験がないので、
みんなで突然歌いだしたり、
歌の方向性について真剣に語り合ったりする場面で
「女子高生が、こんなふうになるんだろうか……」
とも思ってしまうし、玲に対する周囲の認識が変わるのも
リアリティをもって受け止められなかったんだけど、
熱血しない青春モノというのもいいなあと思う。
玲以外は、一人称になると特にキャラクターの違いが
あまり感じられなかったのだけど、
それぞれに斜に構えたところがありつつも、
素直でかわいらしく、みんな好き。