子供の場合もそうであるが状況を補完説明できる人が一緒だとありがたい。子供の外傷の場合では、病院へ付き添いでくるのは現場にいた人ではなく祖父母がくることも多い。何を聞いても「は?わかりません。しりません。ここには付き添いで行ってくれと言われたものですから」とこちらの話が通じず困ることが多い。いろいろと付き添いの祖父母に根掘り葉掘り聞くと彼らも知らないものだから、つい「ほら、どうなんだい? どういう事故だったのか自分の口から説明しなさいよ」と、たかだか4~5歳くらいの患児に促すのである。だいたい自分の症状をきちんと人にわかるように説明できるようになるには10歳くらいにならないと無理である。大人だって前述のように脳震盪の有無ですら自分でははっきり説明できない人もいるのである。そんな無理難題を言われても患児だって困ってしまう。そしてもっと困ってしまうのは我々である。とりあえず一緒にいるだけという感じであるが、あまりいろいろきくと困り果てたあげく、突然「あ 待ってくださいね。いま母親に聞いてみますから」と診察室でいきなり携帯をかけ始めることがある。まー一応うちもクリニックとはいえ医療機関なんですから診察室内での携帯電話はちょっと・・・(困)。