そして氏名の欄の認印は必ず印肉による押印にし、シャチハタの使用は厳禁だそうだ。パソコンで判子が押せる時代に、シャチハタはダメで印肉を用いた認印を使えとは、まるで天然記念物保護でも推進しているかのようだ。今では自署すれば押印はいらないという時代である。人生の終焉を証明する重要な死亡診断書であっても、医師の自署があれば押印は不要である。まるでカブトガニの保護、育成でもしてるのかとあきれ果てながら書いていたら、やはりこのお作法を間違えた。文書料に消費税を加えるのを忘れて書き込んでしまったのである。書き直しは無効ということなので、「消費税分は要りません」とメモ書きをつけ、「このことに関する電話連絡も問い合わせも不要です」とまで付け加え同封した。そしてしばらくして、そこの介護保険課からうちに封筒が届いた。たぶんまた「お役所のお仕事」なのかと嫌な予感がした。